IoT位置測位技術による子牛の行動分析
目次
はじめに:滋賀県における畜産業補助事業で当社のIoTソリューション進展
当社は公立大学法人滋賀県立大学、滋賀県畜産技術復興センター、株式会社tiwakiと産学連携し、「令和3年度滋賀県近未来等社会実装推進事業」を一定の成果を収め終了しました。
当社は、当事業を通して、高精度な位置測位結果を得るための最適な配置方法を特定するなど、当社開発のビーコンと指向性受信機を組合わせた高精度位置測位ソリューションの実証実験も進展しました。
当事業で得られた成果を基に、より幅広い産業分野でIoTの需要を開拓する狙いです。
背景:畜産業が抱える子牛肥育の難しさ
昨今、IoT製品が爆発的に普及し、その広がりは今後さらに加速していくことが見込まれます。
畜産業においては、未だ従事者の重労働・手作業が多く、高齢化・後継者不足・費用増加等が顕著な課題でありながら、畜産を支援するITソリューションは成牛を対象としたものが多く、子牛を対象としたものは少ないのが現状です。
内容:IoTによる子牛の体調変化の前兆を検知
当事業は「滋賀県産業振興ビジョン2030」に基づき、滋賀県内をフィールドにする近未来技術等の社会実装に向けた実証実験または実現可能性調査に対して助成を行い、本県産業および経済の発展を図るものです。
【採択事業名】
首輪型IoTデバイスによる近江牛子牛生産の省力化に関わる実証事業
【実証要領】
- 子牛にBLEビーコンを取付け、畜舎内で子牛の位置情報を取得
- 運動傾向を分析(加速度センサー)
- 運動傾向と健康状態との相関関係を分析
- 画像分析による個体識別試行と画像分析適用範囲の検討
【事業の成果】
- 子牛の「体調変化の前兆」と「推測される運動傾向」の異常値を発見
子牛の体調が悪化する前兆を検知することが可能になれば、早期の治療を開始する事が出来、子牛出荷までの病気による損耗率を低下させることが期待されます。 - カスタマイズできる位置表示アプリケーションを開発
位置表示アプリケーションの開発により、子牛の行動を遠隔地からでも観測できるようになりました。また、同アプリケーションは様々な産業のニーズに沿って、図面をカスタマイズできます。
期待:体調悪化の前兆検知による損耗率の低下
当事業は肉牛の損耗率を2ポイント程度、低減させることを目標に始まり、子牛の体調と運動傾向との関連を発見することができました。
今後、当社が持てる知見とノウハウを活用し、システムの信頼性を向上させることで、子牛の体調悪化の前兆を早期に検知することを目指します。IT化を積極的に進め、現状の子牛育成の課題を解消するために、今後も継続的な相互連携を予定しております。
当事業で活用した当社製品
「timbe」防水・防塵タイプで屋外でも利用可能なビーコンデバイス。詳しくはこちら!
「指向性受信機」
フェーズド・アレイ・アンテナを使用したBLE指向性受信機。特定の方角に対して電波を強く受信する機能装備。詳しくはこちら!
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