CT検査における視線計測

目次

はじめに:視線計測技術で読影をより効率的に

横浜市立大学附属病院放射線部(石渡義之助教、以下「横浜市大」)、中央大学国際経営学部(中村潤教授、以下「中央大学」)と共同で、CT*1検査において、効率的な偶発的所見*2検出方法を明らかにするべく、視線計測*3技術を活用した研究を開始しました。
本研究では視線計測技術を用いて偶発的所見を検出する効率的な読影*⁴戦略を検討します。

(*¹)コンピュータ断層撮影(Computed Tomography): 人体の輪切り画像をコンピュータによって再構成する装置
(*²)ある疾患についての検査をした時に偶然、別の疾患についての所見が見いだされること
(*³)赤外線センサーで瞳孔の動きを読み取り、「視線を可視化」するリサーチ手法

(*⁴)レントゲンやCT、MRI、超音波などの検査によって得られた画像から所見を読み、診断を下すこと

背景: CT検査における偶発的所見の重要さ

医療業界では、臨床診断*5においてCT検査は決定的な役割を担っており、その中で検査目的外の臨床的に重要な所見が報告されることも多くあります。
日本は世界的に見てもCT装置の設置台数の多さから、検査数も年間3000万件程度と世界トップレベルにあり、偶発的所見の数も世界トップレベルにあると推察されます。
この偶発的所見の臨床医への報告は患者のQOL*⁶を改善しうる観点からCT読影においてもその価値は高いです。

(*⁵)医師が患者の症状や病歴、そして自分の感覚(聴診、視診、触診など)、さらには血圧計や聴診器といった簡単な道具を使用して得た情報から推定の病名を出すこと
(*⁶)クオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life):「生活の質」や「人生の質」という意





内容CT検査における各臓器の観察パターンによる偶発的所見検出率の違い

偶発的所見検出率および経験年数の違いによる2群にそれぞれ分割し、読影時間、視線計測パラメータ、各臓器の観察パターンの違いを分析・視覚化します。
医療業界の視線計測技術を用いた画像読影の研究事情は、2D画像は数多く報告ありますが、3D画像は難易度が高く研究が少ないのが現状です。
本研究では3D画像の領域をカバーする挑戦をしています。
3者の役割分担として、CT画像診断の視線計測は、横浜市大が実施、視線計測の実験にあたってのアドバイス、データ可視化、分析は、中央大学が実施、視線計測データを基にした分析アプリケーションの作成は、当社がそれぞれ実施しています




期待:病気の早期治療や患者のQOL向上、読影戦略が教育レベル向上に

本研究を進めることで、偶発的所見をより多く発見することが期待できます。
患者にとっては、病気の早期治療や自身のQOL向上にもつながると思われます。
また、将来的には、本研究のデータを活かしたVRツール開発を検討しており医学生や若手医師の研修においても活用されることで、教育レベルが向上し、熟練医師の技術をより短期間で習得できるようになることも期待されます。


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