HoloLens2を活用した遠隔メンタリングシステム

目次

はじめに:求められる医療現場の変化

千葉大学医学部附属病院と共同で進める本取組みは、脳神経外科の血管造影検査*¹における映像情報をスタッフ間でリアルタイムで共有しながら、遠隔コミュニケーションを可能とすることを目的にしています。
検査中の若手医師と指導医との会話で患者が心理的に不安を感じるケースへの配慮、新型コロナウイルス感染症の予防策、検査人員の合理化や医師の負担軽減等、医療現場の変革が望まれています。

(*¹)血管の状態(狭窄、閉塞、走行異常等)や腫瘍の分布をみるための検査

背景:課題視される若手医師の教育と患者への配慮

医療業界の未来を担う若手医師の手技向上には、現場教育が欠かせません。血管造影検査においても例外ではなく、指導医による指示のもと若手医師主体で手技向上を図るのが通例ですが、その際、指導医と若手医師の会話により患者に不安を生じさせないといった配慮をする必要があります。
さらに、新型コロナウイルス感染症予防の観点や医師の働き方改革等から、若手医師が適切な指導のもとに修練を重ねる機会が減り、研修中の医師が手技向上を図る機会の創出と患者への配慮を両立させることが、これまで以上に課題となっています。


内容:MR(複合現実)を活用し、検査状況を遠隔地へリアルタイムで共有

検査室にいる術者がHoloLens2*²を装着して施術を行うと、術者視点の映像が遠隔地にいる指導医に共有される仕組みです。指導医はリアルタイムに共有される映像情報のもと、イヤホンを介して若手医師への指示ができることから、患者に不安を与えることなく適切な処置や緊急時の対応などが可能となります。
HoloLens2からの映像・音声は、Azure communication Service*³を介して, Microsoft Teams*⁴上において共有されます。さらに、カルテ情報も同時に共有できるため、遠隔地にいるスタッフもリアルタイムでその場にいるかのように検査状況を知ることができます。
このような医療情報の共有に際しては、患者個人の情報が厳格に守られる必要があるため、本取組みは千葉大学医学部附属病院の脳神経外科のスタッフばかりではなく、新しい医療機器の開発をサポートするメドテック・リンクセンター、電子カルテシステムを運営する企画情報部、また千葉大学全体の情報基盤を統括する統合情報センターとの合同チームで開発を進めています。

【イメージ図】


(*²)マイクロソフトによって開発された複合現実スマートグラス
(*³)音声、ビデオ、チャット、テレフォニーをアプリに追加できるクラウドベースの通信サービス
(*⁴)マイクロソフトがWindows、macOS、Linux、iOS及びAndroid向けに開発・提供するコラボレーションプラットフォーム


期待:医師の負担軽減とMR(複合現実)における当社の展望

本取組みは、指導医が操作室や遠隔でも指導が可能となり、緊急時の対応や負担軽減につながります。さらに、遠隔でこれらのやり取りを見学することで、若手医師にとっての自己研鑽の機会創出にもつながります。
また、当社はMR(複合現実)を通じて、医療現場の遠隔医療にとどまらず、新型コロナウイルス感染症過での診断課題や大学が抱えている教育課題についても推し進めていく考えです。

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残してきた実績

設立から48年。
大切なものにフォーカスしてきたからこその実績があります。
公共・民間ともに多数の実績を残してきました。

年間プロジェクト数

500PJ

年間取引先・顧客数

200

最長取引年数

47

延べ資格取得者数

1,870