セルフケアによる症状改善を促すフェムテックアプリ

目次

はじめに:Femtech(フェムテック)で拡がる女性の未来

京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学(万代昌紀教授・江川美保助教)と行った共同研究での成果を活かして、女性特有の病気であるPMS *¹/PMDD *の症状を記録するスマートフォンアプリを開発し、女性の健康管理におけるその実現可能性と症状改善の効果を検証します。症状の記録によって体調の変化に気づき、それをもとにセルフケアや治療につなげることで、女性が身体的・精神的負担なく活躍できる社会の実現を目指します。

(*¹)月経前症候群(Premenstrual Syndrome):月経前にさまざまな心と身体の不快な症状が現れ、月経開始とともに軽減することを繰り返す病気
(*²)月経前不快気分障害 (Premenstrual Dysphoric Disorder):PMSの中でも特に精神的症状が重く、日常生活への支障が著しいもの

背景:月経随伴症状とメンタル不調は「女性活躍推進」の妨げ

女性活躍推進や働き方改革等により、企業内での女性登用に関心が向けられていますが、働く女性の身体的・精神的フォローは追いついていないのが現状です。PMS /PMDDの身体的・精神的症状は200種類ほどもあるといわれ、こうした不調を抱えながら働く女性が多くいます。
そのため、女性が直面する課題をテクノロジーで解決するFemtechが注目され、国を挙げて推奨されています。すでに世の中には女性の月経を記録するアプリは無数に存在しますが、PMSの診断やケアの目的で学術的根拠があるものは乏しい状況です。


内容PMS/PMDD診断や病状評価につながるアプリ

PMS/PMDDは患者自身の日々の症状記録をもとに診断されますが、その方法や内容は統一されておらず、医師への伝達にも複雑さや煩雑さが否めません。
症状記録は診断に役立つにとどまらず、記録をすることでPMSの症状や生活支障が軽減する可能性も指摘されています。京都大学では、海外で最も信頼性が高いといわれる記録ツール(DRSP*3)の日本語版をすでに作成し、妥当性や信頼性について検証してきました。( http://hi.med.kyoto-u.ac.jp/DRSP.html
本取組みでは、DRSPの項目を日々入力する症状記録スマートフォンアプリを開発し、2022年度前半からは実際にPMS症状に悩みながらも治療をまだ受けていない女性を対象に、アプリの使用により症状や生活支障が改善されたかという効果や記録の続けやすさといったユーザビリティ等の検証を行います。

(*³)DRSP:Daily Record of Severity of Problems

<将来的なシステム像>


期待:医療機器としてのPMS治療用アプリの一端を担う

京都大学が将来的な開発を目指しているPMS治療用医療器機器プログラム(SaMD *4)を構成するモジュールとして、本アプリは重要な役割を担っています。また、各種の臨床試験におけるデータ収集ツールとしての活用が期待されます。

(*⁴)SaMD:Software as a Medical Device

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残してきた実績

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公共・民間ともに多数の実績を残してきました。

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