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コンピューターウイルスの代表的な種類は?その特徴と感染経路を整理
目次
知らない間にコンピューターに侵入し、増殖することで私たちの安全を脅かすコンピューターウイルス。個人情報の流出や、システムエラーなどの危険性もあるとされています。
コンピューターウイルスには、いくつかの種類があり、感染経路やウイルスの作用・被害の種類で弁別することができます。それらの基礎知識があれば、家庭や職場での対策や早期発見に繋がるかもしれません。そこで今回は、代表的なコンピューターウイルスの種類と、感染経路や作用・被害の違いを説明していきます。
コンピューターウイルスには、どんな種類があるの?
コンピューターウイルスは、感染経路やウイルスの作用・被害の違いから、様々な種類に分けられると言われています。代表的なものとしては、「ワーム型ウイルス」「トロイの木馬型ウイルス」「マクロ型ウイルス」という3種類に分けられるでしょう。
それではこの3種類について、特徴・感染経路・作用の3点をそれぞれ解説していきます。コンピューターウイルスの種類ごとに、感染経路や被害内容のイメージができると、日頃の対策や、トラブルが起こった際の対処に繋がりますので、ぜひ参考にしてみてください。
ワーム型ウイルス
特徴
ワーム型ウイルスの特徴は、強い感染力と言えるでしょう。ワーム型ウイルスは、インターネットの中で、あらゆる媒体を渡り歩きながら、急速に増殖していくとされています。
インターネットの中を虫のように這いまわり、別のパソコンに次々と感染していく様子から、「ワーム」という名前が付けられたとされており、それほどまでに自己増殖機能が強いコンピューターウイルスと言えるでしょう。
感染経路
ワーム型ウイルスは、インターネット上で提供されるあらゆるサービスや共有ネットワーク、各種記憶媒体を介して感染していきます。
コンピューターウイルスが仕込まれているとは知らずに、クリックしたURLや電子メール、ファイルなどから感染が広がるケースが最も多いとされています。
作用
主な作用としては、コンピューターの動きを止める、誤作動を誘発する、情報を盗む、などがあります。
その結果、パスワードを盗み取られる、コンピューター内にウイルスファイルのコピーを複製してハードディスク容量を使いつくすなどの被害が起こる場合があります。また、コンピューターウイルス付きのメールを知らない間に大量に送ってしまうなど、感染拡大を誘発してしまう場合もあるとされています。
トロイの木馬型ウイルス
特徴
トロイの木馬型ウイルスは、一見ユーザーにとって有益で好ましいプログラムに見せかけ、まるで悪質ではない安全なものとして知らぬ間に感染してしまうことが特徴とされています。
知らない間に感染し、悪意のあるプログラムをインストール・実行してしまったり、場合によっては、インターネットを通じた犯罪の加担者となったりしてしまうことがあります。
感染経路
トロイの木馬型ウイルスは、スクリーンセイバーや画像や文書ファイル、スマートフォンのアプリに潜み、ユーザーにとって、一見有益そうな情報を装っていることが特徴です。
「あなたのコンピューターはウイルスに感染しています」というメッセージを表示して、セキュリティシステムを装う悪質なプログラムをダウンロードさせることもあります。このように、何かしらのプログラムをインストールしたり、ファイルを開いたりすることで感染してしまう場合が多いとされています。
プログラムをインストールする場合には、一度サービス名を検索にかけて、そのプログラムの情報を確認するなど一手間加えてみるとよいかもしれません。
作用
トロイの木馬型ウイルスの作用は、いくつかの種類に分けられるとされています。主な作用や被害は以下の通りです。
すべての作用に共通していることは、ハードウェア内にある重要な情報を抜き取られてしまう、操作を乗っ取られる、などの手法であり、これらが大きな被害に繋がる可能性もあります。
◆バックドア型
ユーザーが知らないうちにプログラムをインストールしている。プログラムをインストール後、勝手に実行完了しているため早期発見が難しい。
◆パスワード窃盗型
デスクトップ画面の撮影やキーボード情報の記録をし、パスワードを窃盗。
◆クラッカー型
ブラウザの設定を変更し、パソコンの起動時やインターネット接続時に、攻撃者が指定した特定のWebサイトへアクセス。
◆ダウンロード型
攻撃者が設定したウェブサイトに誘導。悪意のあるプログラムのダウンロードと、プログラムの自動実行など。
◆ドロッパー型
悪意あるプログラムを水面下でインストール・実行。インターネット上でファイルを送信する際のFTPを盗み見し、利用サイトを攻撃、トロイの木馬を埋め込こむなど。
◆プロキシ型
ルーターやDNSの設定を無許可で改変、パソコン上にプロキシサーバを構築。サーバを利用し、攻撃者が別のハイテク犯罪を起こすことも。犯罪の加害者となってしまう場合もある。
マクロ型ウイルス
特徴
マイクロソフト社のOfficeアプリケーション(Word、Excel、PowerPoint、Accessなど)には、特定の操作手順をプログラムとして登録できるマクロという機能があります。このマクロ機能を利用して感染するタイプのウイルスを、マクロ型ウイルスと言います。
マクロ型ウイルスはマクロ機能を乗っ取ることで、ファイルの書き換えや削除などの操作をしたり、自己増殖を開始したりします。
感染経路
コンピューターウイルスが仕込まれたファイルを開いたときや、感染しているOfficeアプリケーションを開いたときに感染が始まります。感染したソフトで作成されたファイルのやり取りで、その被害が広がっていくとされています。
作用
マクロ型ウイルスに感染すると、ファイルの削除やアプリケーションの設定が、ウイルスによって変更されてしまいます。主な被害としては、作業内容の保存ができない、ウイルス付きのメールを大量に送信されてしまうなどが挙げられます。
種類別の特徴を知って、正しいウイルス対策を
一口にコンピューターウイルスと言っても、いくつかの種類があり、それぞれに異なる特徴があります。
今回は、感染経路やウイルスの作用、その被害の特徴を整理しました。コンピューターウイルスの種類や感染経路の基礎知識があれば、感染拡大を抑えられるかもしれません。
また、職場や家庭でパソコン利用するときには、身に覚えのないメールや怪しいファイルなどを開かないように徹底し、日頃からセキュリティ対策の意識を持つことが大切です。
事前にしっかりと対策をして、安心・快適にインターネットを使用しましょう。
【参考サイト】
・「ウイルスとは?」国民のためのサイバーセキュリティサイト│総務省HP