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アドウェアとは?頻繁な広告表示にお悩みの方へ。削除する方法も紹介
目次
アドウェアは、感染したコンピューターのブラウザ上で、広告を強制的に表示するソフトウェアのこと。また、その被害は広告を表示するだけではなく、ユーザーの情報を収集して外部に流したり、不当な金銭の支払いを求めたりするため、注意が必要です。インターネットを安全・快適に利用するために、この記事ではアドウェアを削除し、感染を防ぐ対策を紹介します。
アドウェアとは
アドウェアとは、広告の表示を目的としたソフトウェアのことです。アドウェアに感染すると、ユーザーが関心のない内容の広告を強制的に表示したり、同意のない情報収集をしたりするため、アドウェアは多くの場合、悪質なソフトウェア「マルウェア」として分類されます。
どのように感染する?
感染の仕方として多いのは、フリーソフトのダウンロード時に同時に取り込まれている、というケースです。
ダウンロードを進める段階で、「次へ」などのボタンを表示内容をきちんと確認しないまま安易に押してしまうと、知らないうちにダウンロードに同意してしまっていることがあります。さらにインストールのモードを選べる場合、カスタムにせず「自動インストール」「高速インストール」などを選択すると、アドウェアまで取り込んでしまう可能性もあるのです。
その結果、ユーザーはアドウェアのインストールに気付かぬまま、アダルト系やコンプレックスを刺激するもの、ソフトウェアの購入を求める広告が頻繁に、強制的に表示されるため不快な気持ちになったり、作業の邪魔をされたりします。
また、アドウェアはユーザーの広告やサイトの閲覧履歴を記録して、データ収集に利用し、外部に流出してしまう恐れもあります。
アドウェアに感染すると
アドウェアの被害の程度は様々です。広告を表示するだけのものもあれば、怪しげな警告表示と共にソフト購入を求めたり、広告を利用したユーザーの情報を外部に流出したりするような悪質なものもあります。
他にも悪質なケースとして、標準設定されているブラウザのホーム画面のURLを書き換えたり、リンク先のURLを勝手に変更したりして、非正規の広告サイトに誘導。その結果、悪質なプログラムに感染してしまうということもあります。
ブラウザを書き換えられ誘導されるサイトとして有名なところは、「Babylon Search」「Delta Search」「Hao123」などです。GoogleやYahoo!を開いたはずが、こういったサイトが表示される場合はアドウェアの仕業だと考えられるでしょう。
また、アドウェアの仕業で悪質なものとして、ブラウザ上のツールバー表示があります。ブラウザ上にユーザーが意図していないツールバーを複数表示することで、ブラウザの表示部分を減らし、作業範囲を狭めてしまいます。
アドウェアの特徴
前の章では、アドウェアの作用と感染時の被害内容を紹介しました。
しかしアドウェアは、その症状の特徴から、対策が難しいとされています。それは、アドウェアは一般的な内容の広告の表示をするだけのものであったり、事前に広告が表示されることに同意を求めたりと、違法性が低く、悪質と判断しづらいものもあるため、セキュリティシステムを通過してしまう場合があるからです。
このように、作用の性質から、一般的なウイルス対策用セキュリティでは脅威と識別されづらいことがアドウェアの特徴と言えます。
次の章では、アドウェアによる広告を削除する方法や、感染に向けた対策を紹介します。
アドウェアを削除する方法
感染したアドウェアを削除する方法は、専用のセキュリティソフトをインストールすることが最も一般的です。前述の理由から、アドウェアはその他マルウェアとは区別された対策が必要となるのですが、最近はいわゆるウイルス対策ソフトやスパイウェアの除去ソフトにも、アドウェア対策が含まれていることが多いため、取り扱い範囲を確認してみてください。
感染が複雑化し、セキュリティソフトを使っても削除しきれなかった場合は、コンピューターを初期化する必要があります。コンピューターを初期化する場合、ハードディスクに保存されているデータは失われてしまうので、こまめなバックアップを取っておくと安心です。
アドウェアの感染を防ぐには
ここからは、アドウェアの感染を未然に防ぐための対策を紹介していきます。
フリーソフトのダウンロード方法に注意を払う
フリーソフトのダウンロードを進める段階で、知らないうちにアドウェアのダウンロードに同意している可能性があります。「自動インストール」「高速インストール」などのモードがある場合は、必ず「カスタムインストール」にして不必要なソフトまで一緒に取り込まないように確認してください。
ソフトウェアをダウンロードするのは信頼できるサイトだけ
怪しいサイトからソフトウェアをダウンロードしないようにしましょう。名の知れているソフトウェアであっても、サイトが正規でない場合、偽物の可能性もあります。必ず、信頼のできるサイトや公式サイトでダウンロードすることを心がけてください。
ただし、公式サイトやソフトウェアが改ざんされているケースも近年大きく話題になっており、公式だからといって絶対に安心はせずに、信頼できるサイト、ソフトウェアであることを慎重に確認しましょう。
警告メッセージが出たからといって慌てない
「あなたのパソコンからスパイウェアが検出されました」という主旨の警告メッセージが表示されたとしても、正規のセキュリティソフトではなくアドウェアによる偽装である可能性があります。
むやみに警告画面をクリックしてしまうことで、そこから新たな二次被害に繋がることもあるため、まずはネットワークから切断するなどしましょう。
感染の兆しを放置しないことが大切
いかがでしたか?前述したように、アドウェアは違法性が低く、悪質と判断しづらいものもあるため、セキュリティシステムを通過してしまう場合があります。「ちょっと不便なだけ」という状態を放っておくと、情報の流出の結果、不当な金銭の要求、その他マルウェアの感染、などより深刻な事態を招くことがあるので、軽くても感染の兆しが見えたらなるべく早く対策を打つようにしましょう。
【参考サイト】
・勝手に広告を表示するアドウェアの削除方法と3つの予防策│Norton
・パソコンユーザのためのスパイウェア対策5箇条│IPA