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IoTを導入しよう!手順・ビジネスへのメリット(効果)・課題・事例を解説

IoTを導入しよう!手順・ビジネスへのメリット(効果)・課題・事例を解説

目次

「IoTを導入することになった場合、どのような手順で進めるのかな?」
「導入後、どのようなメリットがあるのだろう」

このような疑問を抱く方もいるかもしれません。IoTの導入手順は主に以下の通りです。

  1. 導入目的を明確にする
  2. 現状を把握する
  3. 現場と綿密に話し合う
  4. 導入に対する理解を社内全体から得ておく
  5. 導入が必要な箇所に優先付けをする
  6. 段階的に導入していく
  7. 途中経過を確認する

上記を順番に実行することで、IoTを導入しやすくなります。導入した結果、業務効率の向上・人件費の削減を実現可能です。このような効果を目的に、IoTを導入、もしくは導入するか否かを検討している方も多いことでしょう。

そこでこの記事では、IoTの基本情報・IoTを導入する際はどうしたら良いのかを解説いたします。この記事を読めば、IoTのメリット・導入を成功させるポイントがわかります。「IoTの導入手順がわからない」という方は、ぜひご参考ください。


ビジネスに必要?IoTの導入目的を解説

ここでは、IoTはビジネスに必要なのか、IoT導入の目的は何かを解説いたします。

  • IoTの導入目的
  • そもそもIoTとは?


IoTの導入目的

IoTを導入する企業は、以下のような目的をもっていることが多いです。

  • 生産性や業務効率の向上
  • 人件費の削減
  • 無駄なコストの削減
  • 業務時間の短縮
  • 人手不足の解消
  • ビッグデータの収集・蓄積・分析
  • 新たなビジネスの創出
  • 安全性の向上

例えば、夜間勤務が発生する製造業などでは、IoT機器の導入により不具合の自動検知や事故の防止が可能です。技術的な要素を可視化することで、業務の効率化・自動化・人件費削減などを実現できます。

外食産業や小売業では、タグやバーコードの一元管理により、顧客の購買動向や属性などのビッグデータを把握・分析が可能です。食品ロス削減や顧客が求める提案・販売ができます。

医療の分野では、専用デバイスやセンサーを設置し、医療機器の使用状況や未返却機器の位置を即座に把握できます。これにより、医療機器を探す手間が省け、医療従事者が本来の業務に集中できる環境作りが可能です。


そもそもIoTとは?

IoTとは『Internet of Things』の略で、モノをインターネットに接続する技術のことです。デバイス・各種アプリケーション・ネットワークを通じて、さまざまなモノをインターネットに接続することが可能となりました。IoT技術は日々進歩を遂げており、デバイス・モジュール・アプリケーションは多様化しています。そのため以下のような、人々の生活に根差したサービスが次々と生み出されています。

スマート家電

  • 冷蔵庫・エアコン・ペットの見守りカメラなどがある
  • スマホなどで遠隔操作が可能である

ウェアラブルデバイス

  • リストバンド型などがある
  • 心拍数や歩数・血圧などを測定できる
  • 健康増進分野や医療分野などで活用されることが多い

スマートホーム

  • 電気・ガス・水道の使用量などをネットワーク上で管理可能である
  • 太陽光パネルなどの不具合もネットワーク上で検知できる

スマートファクトリー

  • センサーなどの設置により作業者や作業機器の動作を確認可能である
  • ビッグデータの収集・分析により、業務効率や安全性向上が期待できる

スマートロック

  • 鍵を持たなくても自動で施錠ができる
  • スマホなどで開錠が可能である
  • 防犯性も高く鍵を落とす心配もないため、合鍵の不正作成なども防げる

IoTは今や人々の生活やビジネスシーンにおいて、なくてはならない技術と言えるでしょう。

なおIoTの詳細は以下の記事をご参考ください。
IoTとはモノのインターネットのこと!仕組み・実現できること・導入事例を解説


 IoTシステムの導入手順を解説

ここでは、IoTシステムの導入手順を解説いたします。

  1. 導入目的を明確にする
  2. 現状を把握する
  3. 現場と綿密に話し合う
  4. 導入に対する理解を社内全体から得ておく
  5. 導入が必要な箇所に優先付けをする
  6. 段階的に導入していく
  7. 途中経過を確認する


1.導入目的を明確にする

まずは導入目的を明確にしましょう。導入目的を明確にしないままやみくもにIoTを導入しても、現状の課題を解決できないおそれがあるからです。

IoTの導入目的を考える際は、目指すべき姿や目標を整理しなければなりません。目標を整理する際は、以下の点を明確にしましょう。

IoTを導入して何を達成したいか

  • 人件費削減
  • 人手不足解消
  • 生産性向上など

目標達成の値はどれくらいか

  • 件数
  • 円など

いつまでに達成したいか

  • 〇日
  • 〇か月
  • 〇年など

どの場所で達成したいか

  • 部署
  • エリア
  • 国など

目標が定まったら、IoTの導入で目標を達成できそうか検討しましょう。IoT導入で目標が達成できるなら、次はIoT化する範囲を決める必要があります。IoT化する範囲を決める際は、以下の点を明確にしてください。

  • IoT化したいモノは何か
  • 使える予算はいくらまでか
  • 測定したいデータは何か
  • どのような課題を解決したいか

IoTを導入する目的が明確になれば、さらに効率的にIoT技術を活用することが可能です。目標達成のためにも、必ず導入目的を明確にしましょう。


2.現状を把握する

IoTの導入目的が定まったら、次は現状を把握しましょう。課題を明確にすることで、課題解決に必要な対策が立てられるからです。現状を把握する際は、以下のような項目について情報を得るようにしてください。

  • 作業工数
  • 作業時間
  • 各部門のエネルギー使用量
  • 人件費
  • 作業員の業務効率や適正
  • 不良品の発生数
  • クレーム内容
  • 不具合や事故の発生箇所
  • 作業者のリテラシー

まずは、作業工程など現状の課題を分析し、どのようなデータを取得すれば課題解決につながるかを明確にする必要があります。ときには、新たな課題が見つかることもあるでしょう。課題が複数ある場合には優先順位をつけ、どの課題を先に解決すべきか定めてください。


3.現場と綿密に話し合う

IoT導入の前に、まずは現場と綿密に話し合いましょう。現場のスタッフが導入プロセスに関与することで受け入れやすくなり、スムーズな移行を期待できます。現場へのヒアリングを怠ると、新たな対策を練らなければならなかったり、余計な費用がかかったりします。IoTを導入する前に、必ず現場と綿密に話し合ってください。

一部のスタッフのみヒアリングをするのではなく、役職や部署などそれぞれの属性に合わせて、悩みや課題をヒアリングしましょう。

  • 作業・業務にかかる時間はどの程度か
  • 手間がかかるのはどのような作業か
  • 属人化せずIoTで代替可能なものがあるか
  • 現場間で早急に解決したい課題はあるか

現場へのヒアリングは重要です。現場とは綿密に話し合ってください。


4.導入に対する理解を社内全体から得ておく

社内全体でIoT導入に対する理解を事前に深めておくことも重要です。全員がシステムの重要性を理解し、それに基づいて行動することで、効率的な運用と持続的な改善が可能になります。導入時の反発も、ある程度抑えられるでしょう。

社内全体からの理解を得るためには、以下のような方法が有効です。

  • IoT機器メーカー主催の社内勉強会を開催する
  • IoT導入によるメリット・デメリットを話し合う
  • IoT導入に対する率直な意見を匿名アンケートなどで収集する

特にIoTを導入によるメリットやデメリットは明確にしておく必要があります。IoT導入への大きすぎる期待や、知識不足による不満を解消する必要があるからです。上記を参考に、IoT導入に対する社内全体の理解を得てください。


5.導入が必要な箇所に優先付けをする

IoT導入に対する社内理解が得られたら、どの箇所にIoTを導入するかを定めましょう。無限に予算を使えるわけではないため、優先順位をつける必要があります。以下の内容を鑑みながら、優先順位を付けると良いでしょう。

  • 最も効果が高いと予測される導入箇所はどこか
  • IoT導入でしか解決できない課題あるか

例えば、既存のビジネスプロセスやオペレーションを詳細に分析し、改善の余地や効率化のポテンシャルを特定します。これには、コスト・効率・品質・顧客満足度などが含まれます。もしも課題があった場合、これらを解決したときの効果を確認してください。また、このときに『IoT導入でしか解決できない』かも確認しましょう。費用対効果などを明確にすることで、優先順位付けをしやすくなります。


6.段階的に導入していく

IoTを導入する際は、段階的に導入すると良いでしょう。リスクを最小限にできるからです。

そもそもIoTを導入する場合、規模などにもよりますが多額の費用がかかります。製造機器をIoT機器に一新するなどの大規模なIoT導入では、数千万円の資金が必要になることもあるでしょう。

しかし、投資額が多ければより大きな効果が得られるとは限りません。現場と話し合ってから導入をしたとしても「現場に即さない機器だった・実際に使ってみたら新たな課題が出てきた」などの理由で、費用対効果が低くなってしまうおそれもあります。このようなリスクを避けるためにも、IoTを導入する際は、段階的に導入しましょう。

段階的に導入する際のポイントは、以下をご参考ください。

  • 一部の部署のみ部分的に導入する
  • お試しなどの選択肢があれば利用する

すべての拠点に導入してしまうと、失敗したときのリスクもそれ相応に大きくなります。レンタルやお試し導入などができる場合は、積極的に利用してください。


7.途中経過を確認する

IoT導入後は検証と改善を行い、途中経過を確認していくことが重要です。途中経過を確認せずにいると、新たな課題や改善すべき点に気付けないおそれがあります。IoT技術を正しく活用するためにも、必ず途中経過を確認してください。

途中経過を確認する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 解決していない課題はあるか
  • 現在の状況から目標達成が可能か
  • 新たに収集すべきデータはあるか
  • 作業者は適応しているか

途中経過を確認する過程で新たな課題が見つかった場合は、別のデータを収集したり対応内容を変えたりする必要があります。課題を解決するためには、どうすべきかを検討しましょう。

また、作業者のリテラシーや対応技術向上により、作業の幅が広がることもあります。もし作業者が適応していない場合、研修や勉強会などを通してリテラシーや技術の向上を図ってください。


実現のポイントは?IoTの導入を成功させる方法

IoT導入を成功させるために必要なポイント3つを解説いたします。

  • 仕様は早い段階で確定させる
  • 決裁者にも参画してもらう
  • 作業者の負担が減るシステムに仕上げる


仕様は早い段階で確定させる

IoTの仕様は早い段階で確定させましょう。予算計画やツールの選定を正確に行えるからです。

例えばIoTプロジェクトでは、多種多様なリソースが関与します。これにはハードウェア(センサーやデバイスなど)・ソフトウェア(データ管理や分析ツールなど)・ネットワークインフラ・人的リソース(ディレクターやエンジニアなど)が含まれます。早期に仕様を確定させることで、これらのリソースの配分を正確に予測し、予算を計画することが可能です。本当に必要なツールも理解できるでしょう。資金の無駄遣いを防ぎ、プロジェクトの財務的なリスクを低減できます。

仕様を早い段階で確定させるには、プロトタイプやコンセプトを早期に作成し、関係者からフィードバックを得るのが一番でしょう。仕様の方向性が正しいかを確認できます。それに伴い、必要な機能も見えてくるでしょう。もちろんその際は、技術チームによる詳細な技術レビューも行い、各仕様の実現可能性も必ず確認してください。


決裁者にも参画してもらう

IoTの導入を成功させるポイントとして大切なのは、決裁者の参画です。決裁者を参画させないままIoT導入計画を進めた場合、いざ決裁するとなった段階で案を通してもらえないおそれがあります。決裁者も話し合いの場に定期的に参加してもらい、同意を得ながら進行させた方が良いでしょう。

決裁者に参画してもらう際には、以下のことに気を付けてください。

  • 適切な予算設定ができているか
  • 決裁者がIoTのメリット・デメリットを十分に理解しているか

事前に決裁者へ了解を取り、予算計画を緻密に立てなければなりません。もちろんメリットばかりに目を向けるのではなく、デメリットも伝えたうえで、決裁者への了解を取るようにしてください。決裁のタイミングで「そんなことは聞いていない!」とならないように、話し合っておきましょう。


作業者の負担が減るシステムに仕上げる

IoT導入の際は、作業者の負担を軽減できるシステムとなっているかも確認してください。作業者がIoTシステムを活用してくれなくなるおそれがあるからです。

そもそもIoT導入は、生産性の向上や業務効率の向上を目指しています。そのため、IoT導入によって作業者の負担が増えるシステムでは、使用を避けるかもしれません。これでは導入した意味がありません。

作業者の負担が減るシステムに仕上げる方法としては、直感的なインターフェースにすることが挙げられます。使用方法を直感的に理解できるため、学習の必要性を最小限に抑えられます。短時間で使いこなせるようになり、自ら進んで利用するかもしれません。


IoTを導入する際によくある質問を解説

IoT導入する際の質問について、以下3つを解説いたします。

  • 導入メリットを教えてください
  • 導入時に考えられる課題を教えてください
  • 導入事例を教えてください


導入メリットを教えてください

IoTを導入するメリットは、主に8つあります。

  • 迅速な意思決定ができる
  • 業務効率を向上できる
  • トラブルを事前に防止できる
  • データの可視化・分析が容易にできる
  • ビジネスアイディアの創出を期待できる
  • カスタマイゼーションされたサービスの提供が可能になる
  • 人件費の削減や人手不足の解消につながる
  • 人材育成期間が短縮できる

最も大きなメリットは、迅速な意思決定ができるようになることです。データを瞬時に把握できるため、データの収集や分析に時間を使う必要がありません。正確なデータを把握できるため、より確実で迅速な意思決定が可能となります。

また、業務効率の向上も期待できます。IoTの導入は、これまで人海戦術で行ってきた業務を自動化することが可能です。データの集計・管理・分析など多くの時間を割いてきた業務を、瞬時に終えられます。故障や不具合なども事前に予測ができるため、トラブルを防止する効果もあります。


導入時に考えられる課題を教えてください

IoT技術を導入する際に考えられる課題は、主に以下の2つです。

  • コスト
  • セキュリティ

ケースによっては多額の費用がかかることがあります。デバイスの購入や設置、ネットワークの構築などに一定の費用がかかるでしょう。想定予算の範囲では、対応したい内容が実現できないこともあるかもしれません。相見積もりを取り、コストパフォーマンスが最も高い事業者を探すと良いかもしれません。もちろん、この際はコストだけではなく機能なども比較し、自社に最適な製品を探してください。

そして、IoT技術はインターネットを介するため、セキュリティ対策を怠ったことによる情報漏洩のリスクにも注意が必要です。セキュアな通信・データ保護・アクセス管理が重要でしょう。強固なセキュリティプロトコル・定期的なソフトウェア更新・データ暗号化などを実行し、セキュリティリスクを最小限に抑える必要があります。


導入事例を教えてください

IoT技術は多くの分野で、作業の効率化や省力化に活用されています。例えば当社の場合ですと、以下のような導入事例(厳密には実証実験)があります。

位置情報を発信するビーコンは、到達距離性能の高い当社の「FCS1301」及び「timbe」を使用します。当社のビーコンは通信可能範囲が広いため、受信機の受信可能範囲から外れることによるデータ欠落のリスクが軽減されることから、位置測位システムの精度向上が期待できます。また、設置する受信機の必要数も抑えることが出来るので、コストの削減にもつながります。

引用元:株式会社フォーカスシステムズ|BLEビーコンとLPWA技術による広域位置測位システムでの 工場内物流の効率化に向けた実証実験を開始(2024年1月26日時点)

 

この企業では、もともとIoT化を進めていましたが、課題がまだ残っていました。製造現場での高齢化・人手不足・効率化の必要性に対応するため、到達距離性能の高いビーコンを使用し、位置測位システムの精度向上とコスト削減を図る実証実験を行いました。

このビーコンは通信範囲が広く、受信機の数を減らしてもデータ欠落のリスクを軽減できます。将来的には、物流だけでなく医療・介護・見守りなどの分野にもこの技術を応用することを目指しています。

このようにIoT技術には、効率化とコスト削減に貢献できる可能性が多いにあります。幅広い産業での作業改善やサービス向上が期待できるでしょう。


まとめ

今回は、なぜIoT技術がビジネスシーンに必要だと言われているのか、IoT導入の目的は何か、IoTを導入する際はどうしたら良いのかを解説いたしました。IoTは、生産性の向上・人手不足の解消など、あらゆる点で役立つ技術です。IoTを導入することによって、根深い問題の解決や効率的な業務などが可能となります。

しかしIoTの導入手順は非常に細かく、容易ではありません。通常業務と並行で導入作業を遂行する場合、そして自社にIoT知識や導入経験が不足している場合は困難に感じるかもしれません。そのようなときは、ぜひ当社にご相談ください。


残してきた実績

設立から48年。
大切なものにフォーカスしてきたからこその実績があります。
公共・民間ともに多数の実績を残してきました。

年間プロジェクト数

500PJ

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200

最長取引年数

47

延べ資格取得者数

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