IoT

IoTのメリットは?導入することで業務やデータ収集効率の向上を実現!

IoTのメリットは?導入することで業務やデータ収集効率の向上を実現!

目次

「IoTを導入すると具体的にどのようなメリットがあるのかわからない」
「デメリットもあるのかな?」

IoTの導入を検討している方の中には、上記のような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。IoTを導入すると、モノの遠隔操作やリアルタイムでの監視などができます。離れていても機器を操作、および稼働状況を確認することが可能です。

一方、導入コストや高度なセキュリティ対策が必須であるなどのデメリットもあります。そのため、導入する際にはデメリットも考慮したうえでの検討が必要です。メリットとデメリットを把握することで、IoTをより有効に活用できるでしょう。

本記事ではIoTのメリット・デメリット・IoTに関してよくある質問を解説いたします。IoTの導入前に理解を深めたいと考えている方は、ぜひご参考ください。


業務効率の向上など!IoTの導入メリット

IoTの導入メリットは主に以下の9つが挙げられます。

  • 業務効率の向上
  • 人件費の抑制
  • 予知保全の強化
  • ヒューマンエラーの減少
  • 不要在庫の発生確率低下
  • 稼働状況の見える化
  • データ収集効率の向上
  • リアルタイムでのデータ収集が容易
  • 新たなビジネスチャンスの発見


業務効率の向上

IoTを導入すると、業務効率の向上が期待できます。IoTによって作業の効率化・自動化が可能です。

例えば、物流業での荷物の管理を行う場合、どこにどの荷物があるのかを正確に把握する必要があります。もしも紛失すれば、探すために膨大な手間や時間がかかってしまいかねません。位置情報を取得できるタグとIoTを活用することで、荷物の確認作業や適切な管理を効率良く実行できるでしょう。

また、収集したデータから荷物の動線を把握し、業務効率が悪くなっている工程の割り出しができます。割り出した内容は業務効率改善のための対策に活用できるでしょう。


人件費の抑制

IoTを導入すると、人件費の抑制も期待できます。IoTによる自動化によって人が直接対応する業務を減らせるからです。

例えば、工場内の機械の動きに不具合がないかを人が常時監視している場合、監視業務のために人を配置する必要があります。IoT機器を導入すれば人に代わって監視を行うため、監視業務の省人化・人件費の抑制につながるでしょう。

また、IoTはモノ同士での通信と遠隔操作を組み合わせることもできます。トラブル発生時にも管理者のデバイスに警告を出し、遠隔で操作ができるようになるのです。例えば夜間や休日に設備トラブルが発生した場合にも、管理者が直接出向いて操作する必要がなくなります。トラブル対応時に発生する人件費の抑制につながることでしょう。


予知保全の強化

予知保全の強化ができる点も、IoT導入のメリットです。予知保全とは、機械や設備の動きを監視し、トラブルや故障が起こる予兆を捉えて部品の交換や修理を行うことです。IoTではモノの状態をリアルタイムで監視できるため、異常やトラブルの予兆があれば早期発見ができます。

予知保全の強化で活用されている分野の1つが、インフラです。インフラは生活を支える基盤であり、トラブルがあればさまざまな場面で影響するおそれがあります。例えば電力インフラの場合だと、発電所や送電線の異常により、停電が起こったり電力供給量が不安定になったりすることが考えられるでしょう。

IoTを活用すれば、24時間インフラ設備の状態をリアルタイムで監視ができます。機械の異常が起こる予兆を検知すれば、すぐにメンテナンスや修理をして故障を防げます。これにより、安定した電力供給が可能です。

異常やトラブルの予兆を察知して対処できると、トラブル発生による影響を最小限に抑えられます。インフラに限らず工場や生産現場などでもIoTを活用すれば、予知保全の強化による安定した稼働が見込めるでしょう。


ヒューマンエラーの減少

ヒューマンエラーの減少もIoT導入で得られるメリットです。モノの状態やデータを管理できるため、人が行った際に起こりうるエラーを減らせます。

例えば、倉庫で在庫管理を行っている場合で考えてみましょう。従業員が在庫数や出荷数を確認していると、注意していても数え間違いなどのミスが発生するおそれがあります。在庫数や出荷数などのデータをIoTで一元管理すれば、こうしたミスの防止が可能です。従業員の業務負担も軽減でき、働き方の見直しも可能です。


不要在庫の発生確率低下

IoTを導入すれば、不要在庫の発生確率の低下も期待できます。在庫の状態を把握できることで、適切な在庫管理の実現が可能です。

在庫管理を行う際、正確な在庫数や発注数などが把握できていないと、本来は必要ない商品の生産が発生してしまうおそれがあります。本来は在庫で対応できた発注に対しても新たに商品を生産し、在庫が増えてしまうなどのケースが考えられるでしょう。

不要在庫の発生を抑えるには、在庫数や発注数などのデータを正確に把握することが欠かせません。正確なデータが確認できれば、適切な在庫の分配や生産数の調整ができます。

IoTを導入すれば、モノの状態を把握できるため必要なデータのリアルタイムでの収集が可能です。最新のデータをもとに生産計画を検討できるため、不要在庫の発生確率を低減できるでしょう。

不要在庫の発生確率が低下すれば、コスト削減や見直しにもつながります。IoTの導入によって適切な在庫管理やコスト管理ができるようになるでしょう。


稼働状況の見える化

IoTの導入により、稼働状況の見える化ができる点もメリットの1つです。モノの状態や動きのデータが収集・蓄積され、稼働状況を客観的にチェックできます。

稼働状況が見えていないと、効率が悪い業務やトラブルが起きやすい業務があっても、なぜそうなるのかを明確に判断できません。原因や理由がわからないために、効果的な対策もできないでしょう。

IoTではセンサーによってモノの状態や人の動きなどに関するデータを収集しています。例えば、以下のようなデータの収集が可能です。

  • 工場の生産ライン
  • 物流の荷物の動き
  • 建設現場の人や機械の動き

上記のようなモノや人の動きのデータを収集すれば、どのような工程で効率が悪くなっているかが客観的なデータとして把握できます。今まで気づいていなかった問題点や課題が見えるでしょう。データに基づき対策をすれば、業務の効率化や自動化を進めやすくなります。


データ収集効率の向上

IoTを導入すれば、データ収集効率の向上も期待できます。IoTでは、用途にあわせたセンサーによってデータの収集が可能です。

先述したようなモノの状態や在庫数などのさまざまデータは、収集すると問題点の発見や課題解決の糸口になります。しかし、人が地道に収集しようとすると膨大な時間と手間がかかってしまいます。また、見落としも起きやすいため正確なデータの収集は難しいのが現実です。 

しかしIoTであれば、収集したいデータにあわせたセンサーを取り付けてシステムが必要なデータを収集するため、人では難しい規模のデータ収集ができます。

IoT機器に取り付けられるセンサーで収集できるデータの種類は、主に以下があります。

  • 圧力
  • 人や物の動き
  • 映像・画像

これらの情報をセンサーが感知して収集します。IoTの導入によって、客観的なデータの収集を効率良く集められるようになるでしょう。


リアルタイムでのデータ収集が容易

IoTではリアルタイムでのデータ収集が容易な点もメリットの1つです。モノの状態を常時監視できるため、最新のデータを収集できます。

例えば小売店であれば、店舗内での顧客の動きや購入した商品など、顧客の動きに関するデータを収集可能です。このデータを活用すれば、より購買につながるディスプレイへの変更や販促商品の選定がリアルタイムで実施できます。個々の顧客情報を収集していれば、顧客が求めている商品のピンポイントでの販促活動も可能です。


新たなビジネスチャンスの発見

IoTの導入によって新たなビジネスチャンスを発見できる可能性もあります。さまざまなデータを収集し分析ができるため、そのデータを元にした新たなアイデアが生まれるきっかけとなるかもしれません。

先述した通り、IoTではさまざまなデータを収集できます。このデータを分析することで、例えば以下のようなことが見えてくるでしょう。

  • ドライブレコーダーの映像や走行記録から、交通渋滞が頻発する詳細なルートや時間帯が判明する
  • 業務管理システムのデータを分析し、効率が悪く時間がかかっている業務を割り出せる
  • 電力の使用状況を可視化し、電力消費が多い時間帯や家電を特定する

ドライブレコーダーの例であれば、交通渋滞が起こるルートや時間帯を事前に知りたいという需要があると考えられます。業務管理システムの例なら、業務の効率化ができるサービスで課題を解決できるでしょう。電力の使用状況の例では、電気代の節約や環境への配慮などを目的としたサービスへの需要があると考えられます。複数のデータを分析して相関関係を導き出し、新たな需要を発見できるケースもあるかもしれません。

このような発見が、新しいビジネスやサービスを生み出すことへとつながるでしょう。


セキュリティ対策が必須など!IoTのデメリット

IoTにはメリットだけではなく、主に以下4つのデメリットもあります。

  • 環境構築にコストがかかる
  • 高度なセキュリティ対策が必須になる
  • システムがダウンしたときの対策が必須となる
  • 専門知識を有した高いレベルの人材確保や育成が必須となる


環境構築にコストがかかる

IoTは環境構築にコストがかかる点がデメリットとして挙げられるでしょう。導入する際、システムの構築や機器の購入などで費用がどうしても発生します。

そもそもIoTはモノにセンサーや通信機器を取り付け、インターネットを介してデータの送受信や指示出しを行います。そのため環境を構築するには、主に以下が必要です。

  • 機器に取り付けるセンサー
  • 通信機器
  • ネットワーク回線
  • クラウド
  • アプリケーション

IoTを導入する際には、環境構築にかかるコストをあらかじめ算出したうえで検討してください。


高度なセキュリティ対策が必須になる

高度なセキュリティ対策が必須になる点も、IoTのデメリットの1つです。インターネットに接続することで、外部からのサイバー攻撃を受けるリスクが発生します。実際に2016年にはIoT機器を使用してサイバー攻撃が行われた以下の事例があります。

【OVH(フランス)】
・自社保有サーバに対し、Mirai※に感染したとされる約14万台以上のIoT機器から、最大1.5Tbpsとなる世界最大規模のDDoS攻撃が発生
※ IoT機器に自動的に感染し、攻撃者からの指示に応じて感染した機器を踏み台としたDDoS攻撃を実施する等の機能を有するマルウェア

引用元:総務省|サイバーセキュリティ等に係る現状と課題について 平成29年10月|3ページ目(2024年1月17日時点)

この事例はマルウェアに感染したIoT機器を利用してサーバーへ負荷をかけ、機能不全の状態にするDDoS攻撃(対象となるウェブサイトやオンラインサービスに対して、多数のコンピューターから大量の不正なトラフィックを一斉に送信する不正行為)が行われました。このような被害に遭わないためにも、導入時からセキュリティ対策を行うことが重要です。

セキュリティ対策の1つとして、ネットワークセキュリティの確保がおすすめです。ネットワークの隔離・セグメンテーションを行い、IoTデバイスに接続するネットワークを制限すると良いでしょう。これだけでもデータの盗聴や改ざんの防止効果をある程度期待できます。さらに不正アクセスや侵入を検知するための侵入検知システム(IDS)や侵入防御システム(IPS)を導入することで、安心して運用できることでしょう。


システムがダウンしたときの対策が必須となる

システムがダウンしたときの対策が必須となる点も、デメリットの1つです。IoTはネットワーク障害や機器の故障など、何らかのトラブルが起こるおそれがあります。

例えば、IoT機器を稼働させるためには電力が必要です。何らかの理由により電力供給が途絶えてしまった場合、システムが稼働できなくなってしまいます。また、インターネット回線に不具合が生じたり機械が故障したりした場合、データの送受信ができなくなるおそれもあるでしょう。サイバー攻撃を受けて、稼働を止めなければならないケースもあります。

システムがダウンした場合の対策ができていないと、トラブル発生時の対処が遅れてしまいます。場合によっては、システムが復旧しないとトラブルを解消できないという事態に陥ることも考えられるでしょう。このような状況に陥らないように、あらかじめ対策を立てる必要があります。

対策として、バックアップシステムと災害復旧計画を確立するのが良いでしょう。定期的なデータバックアップを実施し、万が一のシステムダウン時に迅速にデータを復旧できるようにします。データは異なる地理的位置にあるサーバーに保存することで、自然災害などのリスクにも対処できるでしょう。

また、システムダウンのシナリオに基づいて、災害復旧プランを策定します。緊急時の連絡体制・復旧手順・必要なリソースの確保を明確にすることで、システムだけでなく運用体制も迅速に立て直すことが可能となります。


専門知識を有した高いレベルの人材確保や育成が必須となる

専門知識を有した高いレベルの人材確保や育成が必須となる点も、デメリットとして挙げられます。IoTの適切な運用や管理を行うために、ITに関連する専門知識を持つ人材が必要です。

専門知識を持つ人材がいない場合、IoTを導入してもうまく使いこなせないおそれがあります。IoTでできることを理解していないために、有効活用ができず宝の持ち腐れになるケースもあるでしょう。また、システムを利用することはできても、メンテナンスやトラブル発生時の対応方法がわからなければ適切な管理ができているとは言えません。

IoTをうまく活用し、適切に管理するには、専門知識を有した人材の確保が必要です。そのために新たに人材を採用したり社内で育成したりする必要があるでしょう。人材の確保や育成はすぐにできるものではなく、ある程度の期間がかかります。導入を検討し始めた段階で、人材の確保や育成をどのように行うかを検討しましょう。


IoTのメリット関連でよくある質問を解説

IoTのメリットに関するよくある以下の2つの質問を解説します。

  • ビジネスではなく一般人から見たときのIoTのメリットは何ですか?
  • そもそもIoTとは何ですか?


ビジネスではなく一般人から見たときのIoTのメリットは何ですか?

一般人から見たときのIoTのメリットとしては、利便性の向上が挙げられます。IoTによって、さまざまなモノの遠隔操作や状態の把握ができるようになります。

一般的に使用されているIoT機器で代表的なのが、IoTを取り入れた家電製品である『スマート家電』です。スマート家電には以下のようなものがあります。

  • 外出先から操作できるエアコンやテレビ
  • 声で操作できるスマートスピーカー
  • 見守りカメラ

上記のエアコンやテレビは、スマートフォンとIoT機器をつなぐことで自宅にいなくても電源のオン・オフなどの操作が可能です。スマートスピーカーでは、例えば「テレビをつけて」とスピーカーに話しかけることで、インターネットを介してつながっているテレビの電源をつけられます。音声検索も可能なため「今日の天気を教えて」と話しかければ、リアルタイムでの天気予報の情報を得られます。

見守りカメラでは乳幼児やペットなどの様子を離れた場所からスマートフォンでの確認が可能です。異常があれば警告が届くため、迅速な対応ができるでしょう。

もちろん、IoTが活用されているのはスマート家電だけではありません。交通渋滞や天気のリアルタイム情報の取得ができるサービスや、バイタルサインを計測できるウェアラブル端末などIoTを活用したサービスは次々登場しています。このように、IoTは日常生活のさまざまな場面を便利にすることに活用されています。


そもそもIoTとは何ですか?

IoTシステムとは『Internet of Things(インターネット・オブ・シングス)』の略語であり、モノをインターネットにつなげる技術のことです。

従来、インターネットに接続されていたのはパソコンやスマートフォンなどのコンピューターが主流でした。IoTでは機器にセンサーや通信機器を取り付けることで、従来はインターネットとつながっていなかったさまざまなモノのインターネット接続を可能にしています。

IoTでできることは主に以下の4つです。

  • モノの遠隔操作
  • モノの状態の監視
  • モノの動きの検知
  • モノ同士の通信

IoT機器は搭載されたセンサーによってさまざまなデータを収集します。そのデータをもとに、インターネットを介して離れた場所から操作したり、モノの状態を把握したりすることが可能です。インターネットにつながっているモノ同士での通信も可能なため、自動でデータの送受信を行うこともできます。

なおIoTの詳細は以下の記事をご参考ください。
IoTとはモノのインターネットのこと!仕組み・実現できること・導入事例を解説


まとめ

IoTは業務の効率化や新たなビジネスチャンスの発見など、さまざまなメリットがある技術です。リアルタイムでのデータ収集やモノの状態の把握などができ、集めたデータをもとに課題の発見や解決につなげられます。また、これまで人が行っていた業務の自動化もできるため、導入すれば業務効率化の向上やヒューマンエラーの減少なども期待できるでしょう。さらに、収集したデータを分析すれば、新しいビジネスチャンスが見つかる可能性も秘めています。

ただし、IoTはメリットばかりでなくデメリットもあります。導入を検討する際には、導入にかかる膨大なコストや、高度なセキュリティ対策やトラブルへの対策が必須であることなども考慮しなければなりません。有効活用するための人材の確保も必要です。

IoTの導入にお悩みがある場合は、ぜひ当社へご相談ください。


残してきた実績

設立から48年。
大切なものにフォーカスしてきたからこその実績があります。
公共・民間ともに多数の実績を残してきました。

年間プロジェクト数

500PJ

年間取引先・顧客数

200

最長取引年数

47

延べ資格取得者数

1,870