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IoTソリューションで企業課題を解決!製造業や物流などへの活用事例も解説

IoTソリューションで企業課題を解決!製造業や物流などへの活用事例も解説

目次

「IoTソリューションは聞いたことがあるけれど、どのようなものかわからない」
「IoTソリューションのメリットを知りたい」

 

IoTソリューションの導入を検討している方の中には、上記のようなお悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。IoTソリューションはモノとインターネットをつなぐIoTを活用し、ビジネスの課題を解決するサービスのことです。IoTはスマート家電や自動車の自動運転アシストなど、身近なものにも活用されています。ビジネスでも、工場・医療・物流などさまざまな分野で活用が進んでいる技術です。

そんなIoTを導入・活用しやすくするのがIoTソリューションです。IoTシステムがパッケージ化されており、コストを抑えて導入できます。運用にかかる負担も軽減できるため、利用しやすいのが特徴です。

本記事ではIoTソリューションの特徴・メリット・活用事例を解説いたします。IoTソリューションの導入でお悩みの方は、ぜひご参考ください。


IoTソリューションとは?課題がある企業様必見!

IoTソリューションとはどのようなものか、以下の2項目で解説いたします。

  • IoTソリューションとは?
  • IoTの仕組み


IoTソリューションとは?

IoTソリューションとは、IoTを活用してビジネスの課題を解決するサービスのことです。モノとインターネットをつなぎ、企業のさまざまな課題解決に活用されています。

従来、デジタル技術を活用してビジネスの課題解決をするサービスは『ITソリューション』と呼ばれていました。ITソリューションは、ハードウェアやソフトウェアを用い、パソコンでの利用を前提としています。

IoTソリューションでは、これまでインターネットにつながっていなかったモノをインターネットに接続します。これにより、従来は難しかった機械の自動化やデータ収集などが可能です。IoTソリューションを導入すれば、後述する業務の効率化や情報の見える化などができます。

企業の課題解決に活用できるため、IoTはさまざまな分野で導入が進んでいます。事例は記事の後半で解説していますので、ぜひご参考ください。


IoTの仕組み

IoTは機器にセンサーや通信機器を取り付け、センサーで取得したさまざまなデータを、インターネットを介して送受信を行う仕組みになります。IoTの構成要素は、主に以下の5つです。

  • モノ(デバイス・センサー)
  • ネットワーク
  • ゲートウェイ
  • クラウド・サーバー
  • アプリケーション

モノを通信機器によってインターネットに接続し、センサーでデータ収集を行います。IoT機器に取り付けられるセンサーでは、主に以下のようなデータを取得します。

  • 温度
  • 圧力
  • 温度
  • 人やモノの動き

センサーで取得したデータは、インターネットに接続されたクラウドやサーバーに保存されます。保存されたデータは専用のアプリケーションによって処理され、IoT機器が指示通りに作動するのです。

IoT機器に指示を出すのは、人だけではありません。インターネットに接続されていることで、モノ同士での通信が可能です。

例えば、IoTを導入したエアコンの場合は周囲の温度に合わせて自動で設定温度を変更する機能が搭載されています。人が指示を出すだけではなく、機械がデータを元に自動で稼働する点も、IoTの特徴です。


データの見える化など!IoTソリューションのメリット

IoTソリューションのメリットは以下の4つが挙げられます。

  • 業務を効率化できる
  • 各情報を見える化できる
  • 自社開発に比べて低コストで利用できる
  • 運用時の負担が減る


業務を効率化できる

IoTソリューションを活用すれば、業務の効率化ができます。IoTで業務の自動化や省人化することにより、作業効率の向上が期待できるのです。

IoTでは、モノをインターネットにつなぐことで以下ができます。

  • 遠隔操作
  • 遠隔監視
  • モノ同士の通信

例えば、工場であれば、工場の設備を遠隔で操作したり稼働状況を監視したりできます。従来は担当者が工場で直接行っていた設備の操作や状況確認が、外出先でも実施できるのです。

また、モノ同士が通信できるため、異常があれば管理者が持つデバイスへエラー報告の自動送信も可能です。遠隔操作と組み合わせれば、直接工場に出向くことなくトラブルへ迅速かつ効率的に対応できます。

小売店であれば、IoTを導入した専用デバイスでの注文書や予約伝票の作成にも活用できるでしょう。専用デバイスで顧客が必要な情報を直接入力し、伝票作成にかかる手間や時間を削減できます。さらに入力したデータをもとに発注業務ができるため、スムーズで効率的な発注処理ができるでしょう。


各情報を見える化できる

各情報を見える化できる点も、IoTソリューションのメリットです。センサーによって、今まで気づいていなかった情報もリアルタイムで収集できます。

倉庫での在庫管理で考えてみましょう。在庫数を人が数えて管理している場合、数える手間がかかるだけではなく数え間違いなどのミスが発生するおそれがあります。これにより、生産管理に狂いが生じ、余剰在庫を抱えることにもなりかねません。

IoTソリューションを導入すれば、センサーで倉庫内の在庫数を正確に取得できます。リアルタイムで在庫数がわかるため、適切な生産計画が立てられます。無駄な在庫を抱えなくなり、在庫管理にかかるコスト削減にもつながるでしょう。

また、IoTソリューションでは人の動きもデータとして収集できます。倉庫内で働くスタッフが行っている実際の作業手順などの見える化も可能です。収集したデータを分析すれば、効率が悪くなっている作業内容や手順などを把握できます。見える化された内容を、問題点の改善に役立てられるでしょう。


自社開発に比べて低コストで利用できる

IoTソリューションは、自社開発に比べて低コストで利用できる点もメリットの1つです。すでにパッケージ化されているサービスを利用できるため、イチから開発する際にかかるコストを大幅に削減できます。

例えば、IoTソリューションであれば、以下の価格で利用できます。

プラン

月額料金

利用条件

プランA

10,000円

デバイス接続数 50台まで。各歴月1GBの利用まで無料

プランB

100,000円

デバイス接続数 500台まで。各歴月15GBの利用まで無料

プランC

500,000円

デバイス接続数 2500台まで。各歴月100GBの利用まで無料

※別途デバイスの費用がかかります


システム開発が不要なため、コストを大幅に削減できます。また、IoTソリューションではクラウドやネットワークなどの環境がすでに構築されているため、短期間での導入が可能です。


運用時の負担が減る

運用時の負担が減ることもIoTソリューションのメリットです。IoTソリューションではサービス提供事業者がサポートやメンテナンスを行うため、自社で実施する必要がありません。

IoTを安定して活用するには、システムの適切な運用や機器の定期的なメンテナンスが必要です。システムにトラブルが発生すれば、原因を確認し早急に復旧させなければなりません。

しかし、IoTに関する専門知識がなければ適切な運用やメンテナンスは難しいでしょう。そのため、自社で開発・運用する際にはIoTに精通した人材の確保やトラブルに対応できる体制の構築が必要です。

IoTソリューションであれば、ネットワークやクラウドなどの管理をサービス提供事業者が行います。トラブルがあった際にも対応を任せられるため、自社での負担軽減が可能です。

さらに、ソリューションを利用するためのサポートを受けられる点もIoTソリューションだからこそのメリットです。IoTソリューションでは導入時のサポートだけではなく、活用方法の相談などもできます。このように、IoTソリューションを活用すれば運用時のさまざまな負担を軽減できます。


製造業や物流など!IoTソシューションの活用事例

IoTソリューションの活用事例を解説いたします。

  • IoTを利用したデータ収集サービス
  • メーターの自動読み取りサービス
  • 製造工場などの稼働監視サービス
  • 家電向け遠隔操作・監視サービス
  • 在庫管理サービス
  • 予知保全サービス


IoTを利用したデータ収集サービス

IoTを利用したデータ収集サービスがあります。

近年はIoTや通信技術の向上によって、取得・保有できるデータの種類や量も各段に向上しており、リアルタイムにデータを取得する例も増加してきている。  
具体的には、価値のあるデータを提供するサービスや自社製品・付加サービスを提供するために必要なデータを継続的に取得・保有し、事業を拡大する例や、特定の企業からデータの提供を受ける仕組みを構築し、既存製品の付加価値の向上を目指す例、様々な機器やモビリティから自動的に必要なデータを取得する仕組みを構築し、付加サービスを提供する例等が見られる。 

引用元:経済産業省|データ利活用のポイント集|74ページ目(2024年2月28日時点)

企業は価値あるデータを取得し、保有することで自社製品やサービスの改善・新規サービスの開発を行えます。これにより、顧客のニーズに応えるようなカスタマイズされた体験を提供したり、製品やサービスの効率性を高められます。

そして何より、IoTを用いたデータ取得は、リアルタイムでの情報収集が可能です。これにより、即時性が求められる状況での意思決定や、市場の変化に対する迅速な対応が可能になります。


メーターの自動読み取りサービス

メーターの自動読み取りサービスを導入した事例もあります。以下は水道事業でIoTを導入した事例の概要です。

水道事業で最も多い事例はスマートメーターであり、道内では札幌市でも実証実験の事例があった。スマートメーターは水道使用量をデジタルで計測する機器であり、検針員の負担削減等の効果が見込めるものである。スマートメーターでは水道使用量だけではなく電気、ガスも共同で検針するシステムも開発されている。静岡県湖西市では令和3(2021)年度より厚生労働省の IoT 活用推進モデル事業により実施。

引用元:北海道庁|【P72~P79】実施結果報告書|76ページ目(2024年1月24日時点)

上記は北海道内で実証実験された事例です。IoTソリューションを活用した水道メーター(通称スマートメーター)を使用しています。スマートメーターを導入したことにより、検針のデジタル化を実現しています。

従来、水道メーターは検針員が直接各家のメーターを確認していました。スマートメーターの導入により、直接検針に赴く必要がなくなります。これにより検針の手間や負担の削減が可能です。

また、水道と同じく検針が必要な電気やガスも共同で検針するシステムが開発されています。共同検針が実現すれば、それぞれの検針にかかる負担軽減や効率的な実施が可能になるでしょう。

ただし、スマートメーターの導入、運用にはコストがかかります。さらに無線通信を行うため、安心して利用できる信頼性の検証も必要です。まだ課題がある事業ですが、導入すれば負担軽減や業務の効率化が大いに期待できるでしょう。


製造工場などの稼働監視サービス

製造工場などにIoTを導入した事例があります。

<③データの分析・学習>
製造ラインの品質管理プログラム
【請求項1】
コンピュータに、所定の製造工程後の製品を所定の検査項目それぞれについて検査した結果を表す検査結果データを、検査装置からネットワークを介して受信し、データベースに蓄積する機能、当該製品を製造した際の製造条件データを、製造装置からネットワークを介して受信し、前記検査結果データに関連付けて前記データベースに蓄積する機能、前記データベースに蓄積された前記検査結果データの検査結果と前記製造条件データのうち不適合の原因となった製造条件との関係をディープラーニングによりニューラルネットワークに学習させる機能、前記データベースに蓄積された検査結果データを監視する機能、前記監視により不適合の検査結果を発見した場合、前記学習済みニューラルネットワークを利用して、前記不適合の原因となった製造条件を推定する機能、を実現させるための、製造ラインの品質管理プログラム。

引用元:特許庁|IoT関連技術等に関する事例の充実化について|32ページ目(2024年2月28日時点)

データ収集・学習機能・分析機能を組み合わせることにより、製造業での品質問題を素早く見つけ出すことが可能になります。このシステムがあれば、製造の過程を改善し、品質を高められるかもしれません。これは、製造業の品質管理に劇的な変化をもたらす可能性があります。


家電向け遠隔操作・監視サービス

家電向けの遠隔操作・監視サービスに関する事例もあります。経済産業省がまとめた資料では、以下のガスの使用状況やガス機器の遠隔操作・監視に関する事例が紹介されています。

集中監視システムの導入により、ガスの使用状況やガス機器のエラー情報などを事業者が把握し、迅速に点検・修理などの対応を行っている事例もある。

引用元:経済産業省|製品安全政策の今後の展開 -IoTによる製品安全のスマート化ー|5ページ目(2024年1月24日時点)

この事例では消費者の家庭でのガスの使用状況やガス機器を、集中監視センターで24時間監視しています。ガスの使用状況を監視するのは、家庭に取り付けられたマイコンメーターです。

マイコンメーターにはコンピューターが内蔵されています。ガスの使用状況に異常を検知した場合や地震が発生した場合に、コンピューターが警告を出して自動停止します。マイコンメーターが取得したデータは集中監視センターに送信され、集中監視センターから消費者へ確認の連絡を行う仕組みです。

また、消費者自身がガスの消し忘れに気づいた場合、集中監視センターへ連絡すれば遠隔でガスを遮断することもできます。遠隔操作や監視ができることで、異常時やトラブルに対して迅速な対応が可能になります。


在庫管理サービス

在庫管理にIoTを活用したサービスの事例(厳密には実証実験)もあります。

1.購買データを活用した購買支援
2.消費・廃棄データの取得による在庫管理
3.データを活用した調理支援
4.ゲーミフィケーションを活用した購買促進
5.消費・廃棄データによるデマンド型の需給予測

引用元:経済産業省|令和3年度 流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業 IoT技術を活用した食品ロス削減の事例創出 実証実験概要|7ページ目(2024年2月28日時点)

例えば、消費パターンを正確に理解することで、不要な在庫を減らし、在庫保持コストを削減できます。また、商品の廃棄パターンを分析することで、廃棄される商品の量を減らし、環境への影響を低減できるでしょう。在庫管理プロセスが最適化されることで、全体的な運営効率の向上も期待できます。


予知保全サービス

予知保全サービスにIoTが活用されている事例もあります。

○プラント制御のためには、調整弁(バルブ)を健全に保つことが重要。従来は、調整弁を修理すべきタイミングが正確に分からないため、定期検査を⾏わざるを得なかった(TBM: TimeBased Maintenance)。
○スマートバルブ(※1)を導⼊することにより、状態監視を実現(CBM: Condition Based Maintenance)。検査のタイミング・回数を最適化することに成功。
○HART通信(※2)を導⼊することにより、データ回線が古い既存プラントでも、速やかにスマートバルブを導⼊することが可能となった。現在は、国内外の約80のプラントで導⼊済。
※1:調整弁に各種センサーを搭載し、稼働状態について、あらゆる⾓度からセンシング、データ解析を⾏う次世代バルブ。
※2:既に配備されているアナログ回線でも、スマートバルブが計測した複数のデータ同時に送信することを可能にする通信プロトコール。

引用元:経済産業省|スマート化の基本的な考え⽅とIoT・ビッグデータ等の活⽤|12ページ目(2024年2月28日時点)

従来のやり方では、調整弁の修理や検査のタイミングを正確に把握することが難しいという課題がありました。スマートバルブを導入することで、バルブの状態をリアルタイムで監視し、状態に基づくメンテナンスを実現できるようになり、メンテナンスの効率性が向上しました。

また、HART通信を導入することで、古いプラントにおいてもスマートバルブの導入が容易になりました。これにより、既存のインフラを大きく変更することなく、先進的な監視・制御システムを導入できます。


まとめ

IoTソリューションはさまざまな分野で導入が進んでいます。IoTはモノとインターネットをつなぐことで、遠隔での操作や監視などができる技術です。IoTの技術を活かしたIoTソリューションは、業務の効率化や情報の見える化などのビジネスの課題解決に活用できます。

IoTシステムを自社開発した場合は膨大な開発コストがかかり、導入後も自社で運用しなければなりません。IoTソリューションではコストを抑え、短期間で導入できます。メンテナンスやトラブル対応もサービス提供事業者に任せられるため、運用時の負担軽減もできるでしょう。

IoTソリューションを導入する際には、どのような課題をIoTで解決したいか検討することが大切です。解決したい課題と活用方法を具体的に検討することで、最適なIoTソリューションを導入できます。

自社の課題解決に活用できるIoTソリューションの導入を検討されている場合、ぜひ当社へご相談ください。


残してきた実績

設立から48年。
大切なものにフォーカスしてきたからこその実績があります。
公共・民間ともに多数の実績を残してきました。

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