フォーカスノート
クラウド化させる方法は?導入(移行)時の流れ・メリット・デメリットを解説
目次
「クラウド化させるには、どうしたらいいんだろう」
「クラウド化する際に注意点はあるのか」
クラウド化を検討している際、このような疑問を持つことがあるかもしれません。状況にもよりますが、クラウド化させる方法は主に3つあります。
- P2V2C
- V2C
- P2C
自社に最適な方法を選択し、正しい手順で実行することで、クラウド化の成功確率を挙げられるでしょう。クラウド化した後のスムーズな運用も期待できます。ただし、クラウド化する際には注意点があります。データ連携などを事前に確認しておかなければ、思わぬ落とし穴にはまるかもしれません。
そこでこの記事では、クラウド化する際の方法・具体的な手順・注意点・メリットなど、よくある質問を解説いたします。ぜひご参考ください。
クラウド化(移行)させる方法は主に3つ
ここではクラウド化(移行)させる3つの方法を解説いたします。
- P2V2C
- V2C
- P2C
P2V2C
P2V2C(Physical to Virtual to Cloud)は、物理的環境から仮想環境を経由して、パブリッククラウドやプライベートクラウドなどといったクラウド環境へ移行する手法のことです。直接的なクラウド移行が困難または非効率な場合に有用な手法であり、段階的に行うことでリスク管理しやすいでしょう。
P2V2Cの場合、基本的に以下の手順でクラウド化させます。
主な手順 | 具体例 |
---|---|
1.クラウド化を計画 | 目的や要件などを明確にする |
2.オンプレミス環境を確認 | システム環境の調査・アプリケーションの依存関係の分析などを行う |
3.クラウドを選択 | パブリッククラウド・プライベートクラウド・ハイブリッドクラウドの中から選択する |
4.クラウドサービスを選択 | SaaS・PaaS・IaaSの中から選択する |
5.クラウドサービス事業者を選定 | Amazon Web Services※1などのサービスを選択する |
6.仮想化ツールを選定 | Microsoft Hyper-V P2V Converter※2などのサービスを選択する |
7.データなどを仮想化 | 物理サーバーを仮想マシンに変換する |
8.クラウド移行ツールを選定 | クラウドサービス事業者が提供する移行ツール、もしくはその他移行ツールを利用する |
9.クラウド移行の下準備 | システムの最適化・必要なソフトウェアなどのアップデート・ネットワーク設定などを行う |
10.データなどをクラウドに移行 | 仮想マシン・アプリケーション・その他データなどをクラウドに移行する |
11.テスト | アプリケーションのパフォーマンスやセキュリティなどをテストする |
12.運用および保守 | 継続的なモニタリング・管理・最適化などを行う |
※1:Amazon Web Servicesは、米国およびその他の諸国におけるAmazon.com Inc.またはその関連会社の登録商標もしくは商標です。
※2:Microsoft Hyper-V P2V Converterは、米国およびその他の国におけるMicrosoft Corporation.またはその関連会社の登録商標もしくは商標です。
P2V2Cの名の通り、『物理→仮想→クラウド』というステップでクラウド化していることがわかります。物理サーバー上で運用されているレガシーシステム(古いプログラミング言語や過去の仕組みで構築されたシステム)やアプリケーションをクラウドに移行したいが、直接的なクラウド移行が困難またはリスクが高い場合に、P2V2Cが適しています。
ただしP2V2Cの場合だと、クラウド化が完了するまでに時間がかかるかもしれません。物理的環境から仮想環境へ、そして最終的にクラウド環境へと順番に移行させるため、より多くの作業と時間が必要になる可能性があります。
したがってP2V2Cは、クラウド化を徐々に進めたい企業に向いている手法と言えます。
V2C
V2C(Virtual to Cloud)とは、すでに仮想化されたリソースをクラウド環境に移行する手法のことです。V2Cの場合、基本的に以下のステップでクラウド化させることが多いです。
- クラウド化を計画
- クラウドを選択
- クラウドサービスを選択
- クラウドサービス事業者を選定
- クラウド移行ツールを選定
- クラウド移行の下準備
- データなどをクラウドに移行
- テスト
- 運用および保守
※各フェーズで実行することは、P2V2Cとほぼ同じです。
先ほどのP2V2Cは『物理→仮想→クラウド』というステップでクラウド化させていましたが、V2Cでは『仮想→クラウド』のみになっています。物理から仮想への変換プロセスは存在しません。スタート時点ですでに仮想化されていることもあり、P2V2Cよりも迅速なクラウド化を実現できるでしょう。
P2C
P2C(Physical to Cloud)は、物理的なサーバーやインフラストラクチャーからクラウドへの直接的な移行を指します。基本的には以下のステップでクラウド化させるでしょう。
- クラウド化を計画
- オンプレミス環境を確認
- クラウドを選択
- クラウドサービスを選択
- クラウドサービス事業者を選定
- クラウド移行ツールを選定
- クラウド移行の下準備
- データなどをクラウドに移行
- テスト
- 運用および保守
※各フェーズで実行することは、P2V2Cとほぼ同じです。
P2V2Cとは異なり、仮想化フェーズを省略します。そのためP2Cであれば、P2V2Cよりも迅速にクラウド化させられるでしょう。プロセスがより直接的であるため、計画と実行が比較的簡単です。
ただし、クラウドへの直接的な移行はリスクが高いかもしれません。クラウド環境下でのアプリケーション動作などを事前に検証する機会が減少するためです。そもそも仮想化フェーズでは、物理サーバーを仮想マシンに変換し、その環境でテストと最適化することが一般的です。P2Cは、この仮想化フェーズ、つまりは検証段階をある程度省いてクラウド化を進めるため、P2V2Cよりも比較的リスクが高いクラウド化手法と言えます。
P2Cは、クラウド化までの時間が限られている企業におすすめの手法と言えます。物理的環境からクラウド化させる際、P2V2CとP2Cのどちらを利用すべきかを、よく検討してみてください。
社内システムをクラウド化させる際の流れを解説
ここでは社内システムをクラウド化させる際の主な流れを解説いたします。
- クラウド化させる目的を明確にする
- 現在の課題を洗い出す
- 現在の稼働状況を確認する
- 自社にとってクラウドとオンプレミスのどちらが良いかをハッキリさせる
- どのシステムを・いつまでに・どの範囲でクラウド移行させるか決める
- 移行させるシステムの順番を決める
- 移行計画を作成する
- 移行のリハーサルを行う
- クラウドに移行する
- 効果を検証および改善する
クラウド化させる目的を明確にする
まずはクラウド化させる目的を明確にしましょう。目的を明確にすることで、全体の計画と指針を立てやすくなります。判断に迷ったときの判断基準になるでしょう。それだけでなく、具体的な目標値を設定しやすくなります。クラウド化による投資対効果を正確に評価できるでしょう。
目的を明確にする際は、各関係者にヒアリングを行うのがおすすめです。これはIT部門だけでなく、経営陣や現場担当者など、あらゆる関係者を含みます。各関係者は異なる部門に所属し、それぞれ担う役割も違います。そのため、異なる視点やニーズを持っているのが一般的です。ヒアリングを行うことで、多様な視点に基づいた意見や情報を収集できます。目的を明確にしやすいでしょう。
また、ヒアリングはそれぞれに対して独立して行うのではなく、全員を同席させて1人ずつ聞いていく形式もおすすめです。公開形式にすることで、関係者間の相互理解を促進させやすくなります。各ニーズのすり合わせや合意形成をしやすくなるでしょう。
現在の課題を洗い出す
目的を明確にしたら、現在の課題を洗い出しましょう。現状と、目的達成時の状態のギャップを明確に把握することが重要です。どの問題を解決することで目的達成に近づけるか、どのような改善が必要になるかを把握してください。
課題を洗い出す際は、SWOT分析を用いると良いでしょう。SWOT分析とはビジネスで用いるフレームワークの一種で、自社の強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)・機会(Opportunities)・脅威(Threats)を分析します。具体的な例は以下の通りです。
概要 | 具体例 |
---|---|
自社の強み(Strengths) | 既存のITインフラの状況 IT部門のスキル 予算 |
弱み(Weaknesses) | 複雑なシステム構成 レガシーシステムの存在 人材不足 |
機会(Opportunities) | 新しいビジネスチャンス 規制緩和 クラウドサービスの進化 |
脅威(Threats) | セキュリティリスク ベンダーロックイン コスト増加 |
話し合いで出た意見や情報を、上記の視点で精査することで、課題を洗い出しやすくなるでしょう。クラウド化の目的に基づいて、課題・改善点がないかを探してみてください。また、弱みだけでなく強みもさらに発展できる点がないかを確認しましょう。
現在の稼働状況を確認する
課題を明確にしたら、現在の稼働状況を確認しましょう。実際の稼働状況を把握することで、話し合いでは出なかった課題や盲点が見つかるかもしれません。場合によっては、話し合いで出た情報とは異なる事実が判明するかもしれません。このような情報を事前に確認・共有することで、目的をより達成しやすくなるでしょう。
稼働状況を確認する際は、下記を確認してみてください。
確認対象の例 | 具体例 |
---|---|
コスト | ITインフラの運用および管理コスト・サーバーの増設および更新コストなど |
セキュリティ | データ漏洩リスク・不正アクセスリスクなど |
スケーラビリティ | 業務量の増減に伴うシステムの拡張性・リソースの柔軟性など |
効率性 | 業務の自動化・自動スケーリングなど |
可用性 | システムの稼働時間・障害発生時の復旧時間など |
基本的には、目的に応じて確認するのが良いでしょう。
自社にとってクラウドとオンプレミスのどちらが良いかをハッキリさせる
この段階で、クラウドとオンプレミスのどちらが良いかをハッキリさせましょう。導入目的・現在の課題・稼働状況を明確にした際に、状況によってはクラウドよりもオンプレミスの方が好ましいことが判明するかもしれません。
例えば、業界・業種・企業によっては、機密情報や個人情報を取り扱うことが多いでしょう。そのため、総合的に考えたときに「業務効率化のためとはいえ、インターネットを経由して各情報を取り扱うのは好ましくない」などの結論が出るかもしれません。サイバー攻撃のおそれがあるからです。この場合は、オンプレミスの方が良いでしょう。
これぐらい簡単な話であれば最初の話し合いで判明するはずですが、特殊な業種・現場の複雑性によっては、課題や稼働状況を明確にしてからでなければ判明しないことも考えられます。万が一そのような状況に陥ったときは、一度立ち止まり、クラウド化することが本当に最適なのかを再検討しましょう。
これは今後を左右する重要な判断ですので、自分1人では決断できないはずです。経営陣・IT部門・法務・現場責任者などを巻き込み、もう一度しっかり話し合うことをおすすめします。
どのシステムを・いつまでに・どの範囲でクラウド移行させるか決める
クラウド化を正式に決定した後は、どのシステムを・いつまでに・どの範囲でクラウド移行させるかを決めましょう。基本的にはビジネスへの影響が大きく、移行難易度が低いシステムから順に選んでいくと良いでしょう。
また期限を設けなければ、導入が長引くかもしれません。その結果、プロジェクト全体が遅延することでしょう。期日は明確に定めるべきです。さらに範囲もあらかじめ決めておくことで、取り組みやすくなります。
どのシステムを・いつまでに・どの範囲でクラウド化させるかを決める際は、以下のように決定すると良いでしょう。
項目 | 具体例 |
---|---|
どのシステムを | 目的達成に対する必要性と重要性などに基づき決定 |
いつまでに | テスト環境で移行作業を検証する期間などに基づき決定 |
どの範囲で | 予算などに基づき決定 |
特に難しいのが、『どの範囲で』かもしれません。移行範囲が広すぎるとコストやリスクが大きくなりますが、逆に移行範囲が狭すぎると期待通りの効果が得られないでしょう。この辺りは専門知識や現場情報が必要になりますので、現場責任者と話し合い、決定します。
移行させるシステムの順番を決める
クラウド化させるシステムを決定したら、移行順を決めましょう。基本的には、システム間の依存関係に基づいて最適な順序を定めてください。データ移行の順序を考慮し、データ連携に必要なシステムを事前に移行させましょう。
ここに関しては、IT部門や現場責任者の意見を聞いてみてください。どのようなリスクが想定されるか、対策はどうするかなどをヒアリングしましょう。各意見を参考にし、順番を決めるのがおすすめです。
移行計画を作成する
クラウド化させる順番を決めたら、移行計画を作成しましょう。計画書を作成し、関係者に共有することで、プロジェクトを進めやすくなります。
計画書を作成する場合は、以下の点を明確にしましょう。
項目 | 具体例 |
---|---|
プロジェクトの概要 | プロジェクトの目的・範囲・スケジュール・予算など |
移行対象システム | 移行対象となるシステムの一覧など |
移行方法 | P2V2C・V2C・P2Cのいずれか |
移行作業 | 各タスク内容・成果物・確認方法・修正方法など |
移行スケジュール | 各タスクの期限・バッファ期間など |
担当者 | 各タスクの担当者・進捗管理者・チェック担当者など |
リスク管理 | 潜在的なリスク・対策など |
変更管理 | 計画変更の手順など |
ここまで明確にすることで、時間推定の精度を向上させられます。また、移行計画の透明性や具体性の向上も期待できるため、現場からの協力を得やすくなるかもしれません。
移行のリハーサルを行う
計画書を作成したら、移行のリハーサルを行いましょう。リハーサルを通じて、移行プロセス中に発生するおそれのある技術的な問題や予期せぬ挙動を事前に特定できます。これにより、本番環境への影響を最小限に抑えるための修正や調整を行えるでしょう。また、作成した移行計画書が機能するかも確認できます。
リハーサルを行う際のポイントとして、実際の移行環境をしっかりと模倣してください。本番環境と同等のソフトウェア・アプリケーション・ネットワーク設定などを使用し、テスト環境を構築しましょう。アプリケーションなどがクラウド環境で期待通りに動作するかを、ある程度検証できます。
クラウドに移行する
リハーサルで問題がなければ、クラウドに移行しましょう。主に以下のようなものをクラウド化させるかもしれません。
- アプリケーション
- ソフトウェア
- データファイル
- データベース
移行計画に基づき、順番にクラウド化させてください。
効果を検証および改善する
クラウド化させた後は、効果検証および改善を行いましょう。クラウド化させて満足するのではなく、目的を達成しているか・目標数値に到達しているか・改善の余地はないかを確認してください。基本的には以下を確認するのが良いでしょう。
項目 | 具体例 |
---|---|
コスト | クラウド導入前後でのIT運用コスト・インフラコストの比較など |
セキュリティ | データ保護やセキュリティ対策内容の比較など |
スケーラビリティ | 需要の変動に応じたリソースのスケールアップ・スケールダウンの柔軟性の比較など |
アクセシビリティ | アクセス制御・データ共有の容易さの比較など |
パフォーマンス | アプリケーションの応答時間・処理能力の比較など |
効率性 | 新しいアプリケーションの開発にかかる時間の比較など |
可用性 | 障害発生時の復旧時間の比較など |
対象を定期的にレビューし、クラウド導入の効果を定量的もしくは定性的に評価します。目的達成度に応じて、必要な改善策を計画・実行しましょう。継続的に改善することで、クラウド導入効果を最大化できます。
クラウド化させる際の注意点を解説
ここではクラウド化させる際の注意点を解説いたします。
- 関係者に事前に通達する
- データ連携について確認する
関係者に事前に通達する
クラウド化させる際の注意点として、関係者に事前通達を行うことが挙げられます。他ツールのアップデートや導入とタイミングがかぶるかもしれないからです。
例えば、クラウド移行計画がIT部門や他のプロジェクトチームと十分に共有されていない場合、各部門間でスケジュール調整をしていないことが予想されます。そうなると、同時期に他システムのアップグレードや導入が重なるおそれがあります。その結果、必要なネットワーク帯域幅やリソースが重複し、ダウンタイムが増加するかもしれません。
仮に導入時に何も起こらなかったとしても、従業員やチームは新システムの利用方法に混乱するでしょう。業務効率の低下が懸念されます。また「何も聞かされていない!」と、現場から不信感を買い、今後の関係性に悪影響があるかもしれません。事前通達は必ず行いましょう。
事前通達を行う際は、IT部門・経営層・担当者など、すべての関係者に通達してください。伝える際は、導入目的・スケジュール・使い方・サポート体制・連絡先などを明確にしておきましょう。
データ連携について確認する
クラウド化させる際は、データ連携について必ず確認しておきましょう。必ずデータ連携できるとは限らず、業務に支障が出るかもしれないからです。このときの対策としては、以下が考えられます。
- クラウドサービス事業者にデータ連携機能について確認する
- データ連携ツールを導入する
- システム開発会社にデータ連携の開発を依頼する
基本的には導入予定のクラウドサービス事業者に確認するのが一般的です。しかしケースによっては、連携可能かつ最適なクラウドサービスが見つからないかもしれません。その場合は、データ連携ツールの利用や、データ連携に関する開発を検討する必要があるでしょう。
クラウド化させる際によくある質問
ここではクラウド化させる際によくある質問を解説いたします。
- そもそもクラウド化とは何ですか?
- クラウド化で考えられるメリットは何ですか?
- クラウド化で考えられるデメリットは何ですか?
- 紙などの資料をクラウドにアップロードするにはどうしたらいいですか?
そもそもクラウド化とは何ですか?
クラウド化とは、従来のデータやアプリケーションを自社のサーバーなどに保管・管理するのではなく、外部のクラウドサービス事業者やデータセンターが提供するオンライン上のサービスを利用することです。これにより、企業は自社のインフラストラクチャーを保有する必要なく、リソースやアプリケーションを必要なときにのみ利用できます。
インターネットを通じてオンライン上のサーバーやリソースを利用する仕組みのため、地理的な制約を取り払い、リモートワークを促進させやすくなります。いつでもどこでもアクセスできるため、業務の効率化や柔軟な働き方が可能になります。
なおクラウド化に関する詳細は以下の記事をご参考ください。
クラウド化とは?オンプレミス型との違い・メリット・デメリット・導入事例を解説
クラウド化で考えられるメリットは何ですか?
クラウド化で考えられるメリットは、主に以下の2つです。
- 初期費用を抑えられる
- 運用を迅速に始められる
クラウド化すれば、オンプレミス型のようにサーバーやストレージなどを購入する必要がありません。初期費用を抑えられます。それだけでなく、サーバーの運用管理やメンテナンス作業をクラウドサービス事業者に任せることで、人件費や時間コストの削減を期待できるでしょう。
またクラウド化は、オンプレミス型のようにサーバーを選定・購入・配置・システム構築をする必要がありません。SaaSを利用すれば、1週間前後で運用を開始することも可能です。オンプレミスでは考えられなかったスピード感で、プロジェクトをスタートさせられるでしょう。
クラウド化で考えられるデメリットは何ですか?
クラウド化には数々のメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。主に以下が挙げられます。
- セキュリティが懸念される
- クラウドサービスに依存しがちになる
クラウド化することで、まずセキュリティの懸念が挙げられます。インターネットを経由して利用するため、サイバー攻撃を受けるかもしれません。また、データは外部のサーバーに保存されるため、不正アクセスやデータ漏洩リスクもあります。公式ホームページにセキュリティ対策が明記されており、内容がしっかりとしているクラウドサービスを利用しましょう。
次に、依存度の増加が挙げられます。サービスの停止やクラウドサービス事業者の方針変更により、ビジネスプロセスに大きな影響が出るかもしれません。さらに、利用量に応じた課金体系が採用されている場合、予想以上のコストが発生することも考えられるでしょう。この辺りは、導入前にクラウドサービス事業者に「今後、変更予定はないか?」などと確認しておくと良いでしょう。
紙などの資料をクラウドにアップロードするにはどうしたらいいですか?
紙などの資料をクラウドにアップロードしたい場合、まずは対象物をデジタル化する必要があります。具体的に言いますとアナログ状態の紙資料を、機器を使って、クラウドが読み取れる状態(PDFなどのデータファイル)に変換する必要があります。
そして本題はここからで、文字情報を正確に抽出した状態でアップロードをしたいのか、それとも単にPDF化させるだけで良いのかで、話が変わります。
もし文字情報を正確に抽出した状態でデジタル化およびアップロードしたいのであれば、OCRがおすすめです。OCRとは、紙の文書や画像データに含まれる文字を読み取り、編集可能なテキスト形式に変換する技術のことです。OCR技術を使用すると、スキャンした資料・文書からテキストデータを抽出し、デジタル化できます。AI-OCR(ディープラーニング機能などを取り入れたOCR技術)も登場しており、読み取り精度が比較的高くなってきました。
一方で単にPDF化させるだけで良いのであれば、スキャナー機器がおすすめです。紙の資料をセットし、読み取らせることでデジタル化できます。コンビニに設置されているコピー機でも、PDFなどデジタル化できます。文字情報の抽出もある程度可能でしょう。
もし近くにコンビニがないのであれば、スマホで撮影し、それをアップロードするのも良いかもしれません。ただし、この方法だと紙資料に書かれている文字情報を抽出できません。文字情報を抽出したいのであれば、OCRアプリなどを併用する必要があります。ご注意ください。
まとめ
ここまでクラウド化させる方法や手順を解説してきました。クラウド化させる際、P2V2C・V2C・P2Cの3つがあることがわかりました。自社の状況に合わせて、選択するのが良いでしょう。その際は、解説した手順を参考にクラウド化を進めてください。
ただし、クラウド化する際には注意点があることもわかりました。関係者への事前通達やデータ連携の確認は必須です。これらを怠ってしまうと、クラウド化がスムーズにいかないかもしれません。それだけでなく、現場の信頼を損なうおそれもあります。事前確認や共有をしっかりと行いましょう。
もしクラウド化に関して不明な点がある場合は、ぜひ当社にご相談ください。