フォーカスノート
IT化で業務効率化!生産性向上などのメリット・役立つツールを解説
目次
「ITツールを使うと、業務を効率化できるの?」
「その他に、どのようなメリットがあるのだろう」
このような疑問を持つ方がいるかもしれません。 ITツールを使うことで、さまざまな業務を効率化できます。例えば、自動化ツールを導入すれば、定型業務などを効率化もしくは自動化できます。また、社内のやり取りなどにチャットツールを導入することで、業務連絡や情報共有を迅速に行えるでしょう。1つのやり取りにかかる時間を、大きく短縮できます。
そこで今回は、ITに関する基本情報だけではなく、ITツールを使うことで得られるメリット・ITツールの導入方法などを解説いたします。この記事を読めば、IT化の必要性や有益性を理解できるうえ、スムーズなITツールの導入が可能です。「どのようにIT化を促進したらいいかわからない」という方は、ぜひご参考ください。
業務効率化の可能性を秘めたIT化とは?
ここではIT化とは何かを、以下の3点に分けて解説いたします。
- IT化とは?
- IT化の目的
- IT化のアイデアは?
IT化とは?
IT化とは、情報技術(Information Technology)を活用し、業務を効率化させることを指します。以下のようなサービスが、IT化の代表例です。
- オンラインバンキング
- 電子商取引
- リモートワーク
- クラウドサービス
- 電子カルテシステム
例えば、オンラインバンキングであれば、インターネットを通じて自分の銀行口座にアクセスし、振込・残高照会・請求書の支払いなどを行えます。これにより、銀行の窓口に行く必要がなくなり、時間と労力を節約できます。『自宅に居ながら振り込みができる』と言うのは、従来では考えられなかった利便性です。
このようにIT化は、あらゆる産業や生活に革命をもたらす可能性があります。人々の仕事や暮らしを、より高速かつ便利にしてくれるでしょう。
IT化の目的
IT化の目的は、業務を効率化することにあります。これまでは人が時間をかけて行っていた業務も、ITを利用することで効率化できます。
例えば、かつては紙の分厚い会議資料を1部ずつコピーし、手渡ししていた時代がありました。資料をコピーする手間がかかるうえ、紛失のリスクや保管場所の確保にも課題がありました。
しかしIT化をすれば、参加人数分の会議資料をコピーする手間が省けます。メールなどでデータファイルを送信するだけで事足ります。顧客情報などの重要資料もクラウド上で管理されるため、紛失のリスクや保管場所の確保に困りにくくなります。
IT化のアイデアは?
IT化のアイデアとして、業務に以下のようなツールを導入すると良いでしょう。
ITツールの例 | 主なメリット |
---|---|
自動化ツール | 定型作業や繰り返し作業を自動化できます |
クラウド型のドキュメント管理システム | どこからでもアクセス可能になり、ファイル共有が容易になります |
電子署名システム | 書類の処理速度を向上させ、紙の使用量を削減できます |
ITツールを導入することで、基本的には業務を効率化もしくは自動化できます。定型作業などを効率化もしくは自動化することで、時間に余裕ができます。空いた時間をコア業務に充てれば、売り上げアップにつながるかもしれません。
また、導入したツールによっては、リモートワークの促進やペーパーレス化の実現も可能です。移動費・紙代・インク代などのコストを削減することで支出カット、つまりは利益率の改善を期待できます。
もちろん、このようなITツールを導入するとコストが発生します。導入費や毎月一定のランニングコストが発生するでしょう。しかし使い方次第では、そのようなコスト以上の見返りがあると言えます。IT化できる業務がないかを、一度探してみると良いでしょう。
生産性の向上など!IT化をするメリット
IT化をするメリットは、主に以下の3つです。
- 生産性の向上
- 多様な働き方に対応できる
- DX化を促進できる
生産性の向上
IT化するメリットの1つに、生産性の向上が挙げられます。IT化を促進することで、業務を効率化できるからです。
例えば、帳簿や顧客データを紙に手書きで記入したり、資料をコピーして手渡しする手間を省けたりするでしょう。電卓で計算せずとも、表計算ソフトや会計ソフトなどを使えば、驚くほど簡単に経理処理を終えられます。
業務の効率化は、一般オフィスのみにとどまりません。例えば、接客業でも会計や注文などをIT化することで、注文の聞き間違いやレジの打ち間違いを減らせます。結果的に、1人でより多くの業務を迅速にこなせるようになり、人件費削減につながることもあるでしょう。
多様な働き方に対応できる
IT化の促進は、多様な働き方にも対応できます。場所などのさまざまな条件の制限を受けず、自由に働けます。
例えば、テレワークの導入は、子育てや介護などと両立しながら働くことにつながります。従来よりも、無理なく両立しやすいのではないでしょうか。また、会社に出社しなくても働けるため、毎日通勤する必要がありません。北海道や沖縄など自分の好きな土地に移住し、これまで通りに働くことも可能でしょう。
そして、場所の制限がなくなることにより、企業は特定の場所以外に住んでいる人材の採用も可能です。例えば従来だと、東京にオフィスを置く企業はアルバイト採用の際、基本的にオフィスに通える者のみを対象に採用活動を行っていたはずです。都内に住んでいない場合、勤務が困難になる可能性があるからです。
しかしテレワークを採用することで、地方在住者の採用も可能になります。これは、人手不足に陥っている企業にとって大きなメリットと言えます。
DX化を促進できる
IT化の促進はDX化※につながります。
※DX化とは、サービスやビジネスモデルだけでなく、業務プロセス・組織・文化や風土までを変革させることを指します。
IT化による業務の効率化もしくは自動化が、社内変革を容易にするからです。例えば、これまで手作業で行っていた、以下のような業務をすべてデジタル化したとしましょう。
- 経理処理
- 営業先のピックアップ
- 顧客情報の管理
- 資料作成と資料配布
- 業務スケジュールの管理
上記をデジタル化することで、先述したように時間とコストを削減し、経営資源をコア業務に振り分けられます。またIT化の促進は、従業員が新しい技術に触れる機会を増やすきっかけともなり得ます。デジタル技術に対する理解や受け入れ態勢の促進につながるでしょう。これが、社内全体のDX化のきっかけになるかもしれません。
そしてDX化を促進できれば、業務プロセスが改善され、ITツールなどを使うことが当たり前の企業文化になるかもしれません。その結果、これまででは考えられなかったような変革を起こせるでしょう。「ITツールを導入して、この業務の生産性をもっと高めよう」といった意見が頻繁に出てくる組織になるかもしれません。
このような状態が続けば、企業間の競争力を高められるでしょう。最終的には、国際的な競争力の向上も期待できます。これは、企業にとって大きなメリットです。IT化を通じて、DX化を目指すと良いでしょう。
なおDXに関する詳細は以下の記事をご参考ください。
DXで業務効率化!作業時間削減などのメリット・導入手順・事例を解説
そもそも生産性とは?定義や測り方を解説
ここでは、生産性の定義や生産性の測り方について、解説いたします。
- 生産性の定義
- 生産性の測り方
生産性の定義
経済産業省によると、生産性は以下のように定義されています。
生産性とは「投入された労働力が、どれだけの付加価値を生み出せたか」を示す指標である。高齢化に伴う社会保障負担増など、少子化・高齢化に伴い克服すべきさまざまな課題を抱える我が国において、生産性の向上は課題克服のための重要な指標である。
引用元:経済産業省|サービス生産性レポート|3ページ目(2024年2月16日時点)
『生産性』の代表例が『労働生産性』です。労働生産性とは、1人の労働者が一定期間内にどれだけの価値を生み出すか、または1時間あたりにどれだけの成果を出しているかを示す指標です。高い労働生産性は、効率的な労働力の使用と経済の健全性を示し、経済成長や企業の競争力強化に直結する重要な要素とされます。
特に日本は少子高齢化が進行しており、これに伴って労働力人口が減少し、社会保障負担が増加しています。労働人口の減少は、経済成長の鈍化を招き、社会保障制度への圧力を高めるため、生産性の向上が特に重要と言えるでしょう。
生産性の測り方
どの生産性を測るのかで計算方法は若干変わりますが、生産性の代表例である労働生産性の場合だと、経済産業省は以下のように記載しています。
労働生産性は、生み出された付加価値額を労働投入量(人×時間)で除した数字である。
引用元:経済産業省|サービス生産性レポート|3ページ目(2024年2月16日時点)
つまり、労働によって生み出される商品やサービスの量を、投入された労働量(人数や時間)で割った値を指します。労働投入量は人と時間のかけあわせになるため、少ない時間と人数で、より多くの付加価値を上げることが目標となります。
ここで役立つのがIT化です。先述の通り、IT化の促進は生産性の向上につながります。例えば、データ入力業務に自動化ツールを使えば、1時間当たりに入力できるデータ量を多くできるでしょう。
このときのポイントは、1時間当たりのデータ入力件数を増やせることだけではありません。自動化することで、このときに携わる人間を減らせる、つまり人件費も削減できることにあります。アウトプットを最大化しつつ、インプットも抑えられるわけです。アウトプット・インプットの両面から生産性の向上にアプローチするため、効果は大きいでしょう。
どれも必要!ITの導入を成功させる方法
ここでは、ITの導入を成功させるポイントを解説いたします。
- 現場にヒアリングを行う
- 小さく始める
現場でヒアリングを行う
まず始めに、現場でヒアリングを行いましょう。現場の意見を聞かなければ、どのようなシステムを導入すれば良いかを判断できないからです。ヒアリングを行わないままIT化を促進しても、現場に最適なシステムでなければ意味がありません。
ヒアリングをする際は、以下のような内容を聞くと良いでしょう。
- 各業務内容
- 単調な作業の有無
- 必要なリソース
- 目標の達成値
- 希望している改善内容
- 懸念していること
基本的には、効率化もしくは自動化できる業務がないかを確認しましょう。そして、それを実現し得るツールを探してみてください。
また、ヒアリングを行う際は、「はい・いいえ」で答えられる閉じた質問よりも、相手に詳しく話してもらえるオープンな質問を心がけましょう。具体的な体験や意見を引き出すことができます。5W1Hを用いれば、オープンな質問をしやすくなるでしょう。
もちろん、意見を引き出した後は、自身の意見や先入観を相手に押し付けないように注意してください。あくまで中立的な態度を保ちましょう。すべての意見を公平に聞き、客観的に評価することが大切です。
小さく始める
ITを導入する際は、小さく始めましょう。初期段階であまり大きな投資をしすぎると、投資分を回収できないおそれがあるからです。いきなり大々的に始めるのではなく、段階的かつ計画的にIT化を進めていくと良いでしょう。
小さく始める際は、業務内容に対して優先順位を付けるのがおすすめです。優先順位を付ける際は、以下の項目を基準にすると良いでしょう。
判断基準の例 | 具体例 |
---|---|
緊急性 | どれだけ早急にIT化が必要か |
重要性 | 与える影響はどれだけ大きいか |
期待される利益 | コスト削減・収益増加など |
実現可能性 | 技術的な問題・予算の確保・時間的な制約など |
効果の測定容易性 | 数値化が可能など |
まずは、対象となる全業務をリストアップし、上記の基準で評価します。そして、業務ごとにスコアリングしましょう。スコアの高い順に業務を並べ、リソースの制約内で実現可能な業務から順に選定します。選定された業務ごとに、具体的な実施計画を立てましょう。
また小さく始めるとは言っても、十分なユーザー教育とサポート体制の整備が必要です。担当者のITリテラシーや現場状況によっては、正確な検証が難しくなるかもしれません。新しいツールや技術を快適に使えるよう、マニュアルや一定のサポートが必要になるでしょう。この辺りは、ITツール提供事業者に相談をすれば、協力してくれるかもしれません。
業務効率改善で生産性向上!おすすめのITツール
ここでは、業務を効率化し得るITツールを2つ解説いたします。
- Dropbox
- Chatwork
Dropbox
Dropbox※はアメリカの企業Dropbox, Inc.が提供する、オンラインストレージサービスです。
※DropboxはDropbox, Inc.の登録商標です。
複数人で同じストレージを利用可能で、ファイルやドキュメントだけでなく写真も共有できます。オンラインで保存するため、「ハードディスクが壊れた!」という心配もありません。
端末を選ばないのも特徴です。パソコン・スマホ・タブレットなどであれば利用できます。変更内容はアカウント内で同期されているので、オンライン状態なら常に最新の情報を確認可能です。2024年2月16日時点では無料のプランもあるため、気になった方は試してみると良いかもしれません。
また、公式ホームページには導入事例も掲載されています。Dropboxを導入することで、どのような効果があるのかを、事前に確認できます。多くの業界・企業が紹介されていますので、自社のケースに似た事例を見つけられるかもしれません。
Chatwork
Chatwork※はChatwork株式会社が提供する、ビジネスチャットツールです。
※ChatworkはChatwork株式会社の登録商標です。
主にビジネスの場で使用されることが多く、個人事業主から大手企業にいたるまで、幅広く利用されています。メールや電話よりも気軽に連絡でき、より迅速にやりとりできるのが大きなメリットです。円滑なコミュニケーションのきっかけとなるでしょう。
チャットでのやり取りは無料プランでも利用できますが、登録ユーザー数や過去メッセージの閲覧などに制限があります。その一方で、有料プランは、登録ユーザー数無制限かつ過去のチャットログを確認できます。自社の状況や使い方に応じて、使うプランを選ぶと良いでしょう。
ITツールやシステムのチェックポイントを解説
ここでは、ITツールやシステムのチェックポイントを2つ解説いたします。
- 課題を把握する
- 無料トライアルがあるものを選ぶ
課題を把握する
まずは自社の課題を把握する必要があります。課題を把握せず、ただやみくもにITツールやシステムを導入しても、大きな成果は見込めないでしょう。課題を把握し、要件や解決に必要な機能を明確にする必要があります。そうすることで、自社に最適なITツールを導入しやすくなります。
課題を明確にする際は、プロセスマッピングを実施するのがおすすめです。プロセスマッピングは、組織内の業務プロセスを視覚的に把握する手法です。これにより、プロセスの流れ・関与する人々・使用されるデータや情報・各ステップでの意思決定ポイントなどを明確にできます。ヒアリングでは判明しなかった課題を見つけられるかもしれません。
注意点としては、プロセスを過度に細かくマッピングしすぎないことです。あまりにも細かく、完ぺきに取り組もうとすると、チェックポイントが膨大になり、確認が困難になることがあります。必要な情報と詳細レベルに対し、適切なバランスを取る必要があるでしょう。自分で判断するのが難しい場合は、現場担当者に各作業の要点などを質問するのが良いでしょう。
無料トライアルがあるものを選ぶ
ITツールを導入する際は、無料トライアルを利用するのがおすすめです。自社のニーズや要件に合っているかどうか、実際に製品を使って確認できます。特定の機能や使い勝手を事前に試すことで、「業務を全然効率化できない」などといったリスクを避けやすくなるでしょう。
もちろんこのとき、試すのは1つのツールだけでなくても問題ありません。複数のツールを無料トライアルで試すことで、それぞれの長所と短所を直接比較しつつ、自社に最も適したツールを効率的に選べます。
ただし無料トライアルの場合だと、どのツールも通常、期間制限があります。利用可能な期間内に製品を十分に評価し、判断を下す必要があります。あまりにも多くを試してしまいますと、期間内に十分な検証ができないかもしれません。無料トライアルを利用する際も、計画的に実行するのが良いでしょう。
まとめ
ここまで、ITで業務を効率化する方法・おすすめのITツールなどについて解説いたしました。 業務効率化と生産性向上は、多くの企業が目指すべき重要な目標です。IT化は、これらの目標を達成するための強力な手段となり得ます。業務効率の改善と生産性の向上を目指す際には、クラウドサービス・プロジェクト管理ツール・コミュニケーションツールなど、さまざまなITツールを使うと良いでしょう。
また、技術の進化に伴い、今後も新たなツールやシステムが登場することが予想されます。常に最新の情報を得て、柔軟に対応していくことが求められるでしょう。業務効率化でお悩みの場合は、ぜひ当社にご相談ください。